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尖圭コンジローマとは?症状や原因、検査と治療法を医師が解説

尖圭コンジローマとは?症状や原因、検査と治療法を医師が解説

尖圭コンジローマという性感染症(性病)をご存じですか?

  • 最近、陰部にイボのようなできものができた
  • 陰部にできたイボが、だんだん大きくなってきている

上記に当てはまる方は、もしかすると尖圭コンジローマの可能性があるかもしれません。

ある日突然、見たことがない変わった形状のできものが皮膚にできると、心配になるのは当然です。
陰部にイボのようなできものができた場合、尖圭コンジローマを疑います。
尖圭コンジローマは、一部がん化するものもあり、早期発見・治療が大切です。

本記事では、尖圭コンジローマの症状や原因、検査と治療法について解説します。
尖圭コンジローマについて正しく理解し、気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。

尖圭コンジローマとは

尖圭コンジローマとは、病原体であるHPV(ヒト乳頭ウイルス、またはヒトパピローマウイルス)が性器に感染することで、症状を引き起こす性感染症です。

HPVは、女性の子宮頸がんの原因ウイルスとして有名ですが、男性にも感染します。
また名前が似ていますが、梅毒に感染した際に陰部などにできる、扁平コンジローマとは別の病気になります。

尖圭コンジローマの感染経路と原因

感染経路

尖圭コンジローマの感染経路と原因

尖圭コンジローマは、セックスやオーラルセックスなどによって
HPVが粘膜や小さな傷口から侵入することで感染します。
陰部以外に、口唇や口腔内に尖圭コンジローマのイボがある場合、キスでも感染する可能性があります。

イボの部分に触れた手で、非感染者の粘膜などに接触することで感染するケースや、女性で妊娠中の場合、出産時に赤ちゃんが産道を通る際に感染させてしまうケースもあります(母子感染)。
しかし、HPVに感染したすべての人が、かならず尖圭コンジローマやがんを発症するわけではありません。

尖圭コンジローマの原因

尖圭コンジローマは、HPVが陰部に感染することが原因です。
HPVは200種類以上の型が存在しますが、そのうち陰部に感染するものは40種類といわれています。

HPVは、そこからさらに2種類に分類され、ローリスク型、ハイリスク型に分かれます。
何に対するリスクかというと、癌化するリスクのことです。
同じHPVの感染でも、どちらの型に属するかによって、治療や予後に大きく影響します。
型を知ることは、尖圭コンジローマの治療において重要といえるでしょう。

ローリスク型

HPVのうち、6型と11型がローリスク型です。
このローリスク型が尖圭コンジローマを引き起こします。
感染者のうち、90%はローリスク型といわれています。

このことから、HPVに感染した人の多くは良性であることが多いといえますが
中には、がんの原因となる”ハイリスク型”である可能性もあるため「自分は大丈夫だろう」と油断せず、的確な検査・診断を受けるようにしましょう。

ハイリスク型

ハイリスク型は、ローリスク型とは違い、癌化する可能性があるものなので、注意が必要です。
16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型がハイリスク型です。

ハイリスク型は、男性も女性も共通して陰茎がんや肛門がん、中咽頭がん(喉のがん)、女性のみですと子宮頸がんの原因となります。
症状が軽いからといって放置してしまうと、病状が進行してしまう可能性があるため、早期発見・治療が重要となります。

尖圭コンジローマの症状

尖圭コンジローマの症状

次に尖圭コンジローマの症状について解説します。
尖圭コンジローマに感染すると、陰部にイボ状の腫瘤ができます。
亀頭部〜陰茎、陰嚢、肛門周囲、尿道口など、できる部位も人によって異なります。

イボの見た目は特徴的で、乳頭状、鶏冠状(にわとりのトサカのような形状)、カリフワラー状と表現されることが多いです。

色もさまざまで、白やピンク、黒に近いものなども見られます。
痛みやかゆみなどの症状はありません。
しかし、そのまま放置しているとイボが徐々に大きくなっていきます。

イボが大きくなってくると、患部に違和感を覚える方もいます。
症状は比較的軽いものが多いので、症状が進行するまで様子をみてしまう方も少なくありません。

どのような症状があるのかを知り、心当たりのある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

尖圭コンジローマの潜伏期間

尖圭コンジローマは、HPVに感染し症状が出るまで3週間から8ヶ月(平均2.8ヶ月)かかります。
潜伏期間が長く、忘れたころにイボが出現することになります。
そのため、いつ・どこで・誰から感染したのかを特定するのが難しい場合があります。

尖圭コンジローマの検査

尖圭コンジローマは、イボの形状が特徴的なので、視診による診断も可能です。
視診で尖圭コンジローマ感染の疑いがある際には、綿棒で患部の組織をこすり取り(皮膚拭い検査)確認を行います。

皮膚拭い検査は柔らかな綿棒で行うため痛みはありません。

症状が似ている他の病気

尖圭コンジローマは、陰部に特徴的な形状のイボができる病気です。
しかし、尖圭コンジローマと症状が似ている病気もあるので、注意が必要です。
専門医師による正確な診断が重要となります。

尖圭コンジローマと症状が似ている病気は下記です。

フォアダイス

陰茎に白い、小さなブツブツとしたできものができるもので、性感染症ではありません。
ブツブツの中身は脂肪なので、特別な治療も必要ないものです。

真珠様小丘疹

フォアダイスに似ていますが、陰茎の冠状溝(陰茎と亀頭の間のくびれた部分)に沿ってブツブツができるのが特徴です。

フォアダイス同様、特別な治療は必要ありません。

包皮腺

包皮小帯(陰茎包皮と亀頭が繋がっている部分)に見られる、白いブツブツしたできものです。
“タイソン腺”とも呼ばれます。

皮脂腺ですので、包茎の方は周囲に汚れがたまりやすく、異臭の原因となります。

扁平コンジローマ

梅毒に感染した場合に、陰部や肛門周囲にできる隆起性腫瘤です。
尖圭コンジローマと名前が似ていますが、まったく異なるものなので注意しましょう。

尖圭コンジローマの治療

この項では、尖圭コンジローマの治療方法について解説します。

外用薬の塗布

尖圭コンジローマの治療

尖圭コンジローマの治療で、まず選択されるのは、抗ウイルス作用のある外用薬です。
外用薬を塗布することにより、少しずつウイルスを弱らせる効果があります。
週3回、決められた日に使用します。

連日の塗布は避けるのが望ましいので、何曜日に使用するのか、医師や薬剤師とよく相談して決めましょう。
入浴後に塗布し、6〜10時間放置したあと、翌朝に洗い流します。
最大16週間(4ヶ月間)使用します。

液体窒素による凍結療法

−196℃の液体窒素を患部に直接押し当て、ウイルスの活性を抑える治療方法です。
1〜2週間に1回、医療機関にて行います。
陰部は皮膚が薄く、デリケートな部分なので、多少の痛みを感じる方もいます。

外用薬と液体窒素による凍結療法、この2つを組み合わせて治療を行う場合もあります。
単独治療の場合、20〜30%が再発するといわれていますが、2種類の治療を行うことで、再発を防ぐ効果を上げることができます。

レーザーなどによる治療方法

レーザーを使って、イボを焼灼(組織を焼いて治療すること)する治療方法もあります。
レーザーによる治療は、医療機関によって行われていない場合もあります。(当院でも実施しておりません)

医師と相談してから治療方針を決めましょう。

尖圭コンジローマの予防方法

コンドームの使用

ここまで、HPVが尖圭コンジローマやがんを引き起こす原因となることを解説してきました。
HPVに感染したからといって、すべての人が発症するものではありませんが、
癌や、パートナーへの感染を防ぐためにも、予防対策は必要です。

性感染症は、性行為の際にコンドームを使用することで感染を防ぐことができます。
しかし、コンドームは100%感染を予防できるわけではありません。

尖圭コンジローマの場合、粘膜以外の場所にもイボができる場合があるため、コンドームを使用していても、感染するリスクがあります。
ご自身やパートナーに気になる症状がある場合は、性行為は避け、まずは医療機関を受診しましょう。

ワクチンの接種

尖圭コンジローマの予防方法

HPVの感染を予防するために、ワクチンを接種する方法もあります。
HPVワクチンといえば、女性の子宮頸がんを予防するためのワクチンというイメージが強いかと思います。
しかし、男性もHPVワクチンを接種することが可能です。

男性もHPVに感染することで、尖圭コンジローマやがんにかかる可能性があります。
ご自身やパートナーを守るためにも、HPVワクチンを接種することをおすすめします。

ワクチンの種類

HPVワクチンには、2価、4価、9価の3種類あります。
どのHPVの型を予防できるかによって、種類が異なります。

  • 2価:16、18型を予防
  • 4価:6、11、16、18型を予防
  • 9価:6、11、16、18、31、33、45、52、58型を予防

先述しましたが、ハイリスク型には16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型があります。
2価、4価のワクチンですと、すべてのハイリスク型のウイルスに対しての予防効果はありません。
幅広い型のウイルスの感染を防ぐためには、9価の接種が望ましいといえます。

HPVワクチンは期間をあけて、3回接種します。
接種スケジュールは下記になります。

  • 初回
  • 2回目:初回の接種から2ヶ月後
  • 3回目:2回目の接種から4ヶ月後(初回から半年後)

 神田西口クリニックの尖圭コンジローマ治療

神田西口クリニックは男性のためのクリニック
受付スタッフ、看護師、医師すべて男性です。
性感染症については、さまざまな情報が溢れているからこそ不安も大きいと思います。

なのでまずは些細なお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
一人ひとりの症状に寄り添い、オーダーメイドの処置処方を行います。

尖圭コンジローマの検査・治療の料金

【検査】

拭い検査(皮膚)

  • 低リスクのみor高リスクのみ 7,700円
  • 低リスク&高リスク 14,500円

【治療】

  • 免疫賦活剤の外用薬(2週間分、6包) 7,900円
  • 液体窒素による凍結療法(1回) 4,800円

尖圭コンジローマについてのよくある質問

まだイボが小さい・数が少ないなどの初期の場合は、再発を抑え、完治する可能性もあります。
しかし、尖圭コンジローマは再発しやすい病気です。
再発を防ぐためにも、ある程度の期間は通院していただく必要があります。

また、完治しても再度ウイルスに接触する機会があれば、再度感染する可能性があることも覚えておきましょう。

尖圭コンジローマの発症までには、3週間から8ヶ月の長い潜伏期間があります。
お付き合いを始めたばかりの状態で、相手に感染が発覚した場合、前のパートナーとの行為で感染した可能性が考えられます。
よって、尖圭コンジローマの感染が発覚したからといって、今現在浮気をしているという証拠にはなりません。

尖圭コンジローマは、性行為そのものだけでなく、手についたウイルスが、非感染者の粘膜や傷口に触れることでも感染します。
気になる症状がある場合は、パートナーとのスキンシップの際は注意しましょう。

外用薬などの単独治療の場合、20〜30%が再発します。
よって尖圭コンジローマは、再発しやすい病気であるといえるでしょう。
再発を防ぐためには、液体窒素に加えて外用薬も使用し、治療終了と言われるまでは自己判断で中断せずに定期的に通院をしましょう。

そうすることで、再発する可能性を少なくすることができます。
またパートナーがいる方は、パートナーも感染している可能性を考えなければなりません。ご自身が完治したとしても、パートナーも一緒に感染していた場合、再感染してしまうリスクがあるからです。
パートナーも同時に医療機関を受診し、必要があれば治療を受ける必要があります。

尖圭コンジローマ自体は良性の腫瘍であり、そのうち20〜30%は、イボができても3ヶ月程度で自然に消えるといわれています。
しかし、尖圭コンジローマの原因となるHPVの中には、がん化するものも存在します。がんは命に関わる病気ですから、早期発見・治療が大切です。
また尖圭コンジローマを放置したままにすると、他の人に感染させてしまうリスクもあります。

痛みやかゆみなど、不快な症状がなかったとしても、かならず医療機関を受診し治療を受けるようにしましょう。

尖圭コンジローマの病原体であるHPVには、子宮頸がんや陰茎がんの原因となるハイリスク型も含まれている場合があります。
万が一、生殖器にがんを発症してしまうと、妊娠や出産に影響します。
気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

コンドームは性感染症の予防に有効です。しかし、尖圭コンジローマの場合は粘膜以外の皮膚にもイボができます。
そのため、コンドームが覆われていない部分から感染してしまうリスクがあります。
また、尖圭コンジローマの治療において、外用薬を使用している場合も注意が必要です。

尖圭コンジローマの治療薬は、作用が強いお薬です。お薬が皮膚についたまま性行為をすると、パートナーにコンジローマを移してしまうだけでなく、パートナーの皮膚にトラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。
よって、治療中の性行為は避けましょう。

尖圭コンジローマの治療薬は、薬局で販売されていません。
インターネットで購入したお薬は、疑似医薬品の可能性もあるため、使用するには不安があります。
尖圭コンジローマの多くは良性ですが、がんに移行するハイリスク型のウイルスが含まれている場合があります。

ハイリスク型かどうかを調べるには、医療機関で検査をする必要がありますので、自己判断でお薬を使用するのは望ましくありません。
また、尖圭コンジローマは再発しやすい病気です。
医師の指示通りにお薬を使用したあとも、一定期間、再発していないかを確認していく必要もあります。

医療機関を受診するのは抵抗がある方もいると思いますが、ご自身やパートナーを守るためにも、医師の診察を受けましょう。

尖圭コンジローマの中には、何もしなくても自然に消失するものもあります。
しかし、イボがどんどん大きくなると、自然に治ることはなく、医療機関での治療が必要になります。
また、尖圭コンジローマの病原体であるHPVには、ハイリスク型があり、放置しているとがんに移行するリスクがあります。

ハイリスク型のHPVがパートナーに感染した場合、パートナーもがんになるリスクが高まります。
ご自身の体だけでなく、パートナーを守るためにも医療機関を受診しましょう。

尖圭コンジローマの疑いがある際は早期受診を

尖圭コンジローマの症状や検査、治療方法などについて解説しました。
尖圭コンジローマ自体は良性の場合が多いですが、中には、がんに移行する悪性のものも含まれています。
陰部に見慣れないイボができるなど、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

監修者

神田西口クリニック院長 鈴木 鑑

2003年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
2014年都内某クリニックにて性感染症診療に従事。
10万人以上の性感染症患者さんの悩みに寄り添い解決してきた実績がある。
2023年神田西口クリニックの院長に就任。

所属学会・資格

  • 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
  • テストステロン治療認定医
  • 日本性感染症学会
  • 日本感染症学会
  • 日本化学療法学会
  • 日本メンズヘルス医学会