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多汗症治療とは?おもな原因や予防法、治療法を医師が解説します

多汗症治療とは?おもな原因や予防法、治療法を医師が解説します

多汗症をご存じですか?

  • 暑くないのに汗をかきやすい
  • 書類を持つと汗で濡れてしまう
  • 汗がしみたシャツを他人に見られるのが恥ずかしい

汗の量が多く悩んでいる方は、汗をかくことが気になってしまい仕事や日常生活に支障が出ることも。このように、汗の量が多いことでお悩みの方は多汗症の可能性があります。
多汗症は、内服薬や外用薬などで治療できる疾患です。

この記事では通常より汗の量が多くなる病気”多汗症”について、その原因や予防方法、治療方法などについて医師が解説します。
汗に関する悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてください。

多汗症とは

多汗症とは

多汗症とは限られた部位に大量に発汗する疾患です。

汗をかくと汗ジミやニオイなどが気になるもの。
そのため汗は悪いものと認識されることもありますが、汗は人間にとって必要不可欠なものです。
体温調節や湿度保持機能、最近ではウイルスや細菌などの侵入を防ぐ自然免疫機能も注目されています。

人により、汗をかきやすい・汗をかきにくいという体質がありますが、多汗症とは汗をかきやすい人のことを指すものではありません。

暑くないし緊張などしていないのに汗をかきやすい、シャツを何度も着替えなくてはならないなど、大量の発汗で日常生活に支障をきたす

これを”多汗症”といい、病気として扱います。
多汗症は全身性と局所性の2種類に分類されます。

多汗症で発汗する部位

汗は、皮膚の中にある“汗腺”という部分から分泌されます。
汗腺には2種類あり、分布する部位や特徴が異なります。

  • エクリン腺…全身に分布。皮膚の表面にあり、ニオイがない。
  • アポクリン腺… わきや乳首、陰部など、分布する部位が限られている。毛穴の毛根部分にある。アポクリン腺からの汗自体にはニオイはないが、タンパク質を含むため、エクリン腺からの汗よりも雑菌の影響を受けやすくニオイの原因になる。

汗腺は全身に分布しており、多汗症の原因によって発汗する部位が異なります。

多汗症の原因

多汗症の原因

多汗症は全身の発汗が増加する「全身性多汗症」と身体の一部の限られた部位に症状が現れる「局所性多汗症」に分類され、それぞれ特徴が異なります。

それぞれの特徴と原因について解説します。

全身性多汗症

全身性多汗症とは、文字通り全身の発汗量が増えるもので、特別な原因がない原発性と、他の病気が原因となって起こる続発性に分かれます。

続発性には感染症、甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患や、脳梗塞などの神経障害が原因として挙げられます。

局所性多汗症

局所性多汗症も原発性と続発性に分かれます。
原発性多汗症は頭や顔面、手や足の裏、わきなどに大量の発汗が起きます。
原発性多汗症の場合、遺伝的な要因も関連しているといわれています。

原因が明らかでないため、多汗症であることに恥ずかしさを感じ、日常生活を送るのにも支障が出てしまう方も少なくありません。
続発性局所性多汗症は、耳下腺の手術後や外傷、耳下腺周辺の炎症のあとに発症するFrey症候群という病気が有名です。

原発性多汗症は全身性・局所性ともに若い世代の方が発症しやすいといわれています。

ちなみに、辛いものを食べたときに額やわきに発汗する場合がありますが、これは生理的な発汗であり、すぐにおさまる場合は問題ありません。
ただ、食事のあと発汗が一日中続くなど、症状が著しい場合は異常である可能性があるため、医師に相談しましょう。

もしかして多汗症?セルフチェックをしてみよう

以下の症状に該当する方は、多汗症の可能性があります。
チェックしてみましょう。

  • 暑くないのに多量の汗をかく
  • 緊張するとしたたり落ちるほどの汗をかく
  • 衣服に常に汗ジミがある
  • 書類や本などを持つと汗で濡れてしまう
  • 手のひらや足の裏が汗ばんでいる
  • 体臭が気になる、もしくは他人から体臭を指摘された
  • パソコンやスマホなど、電気機器が汗によって壊れてしまった

そのほか、原発性局所性多汗症診療ガイドライン(2015年)では、

  • 1)        最初に症状が出るのが25歳以下であること
  • 2)        対称性に発汗がみられること
  • 3)        睡眠中は発汗が止まっていること
  • 4)        1週間に1回以上多汗のエピソードがあること
  • 5)        家族歴があること
  • 6)        それらによって日常生活に支障をきたすこと

上記の2項目以上あてはまる場合、多汗症と診断しています。
病気や服用している薬によっても多汗症になる可能性があります。

日常生活に支障をきたしてしまうほどの多量の発汗をする場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

参考:日本皮膚科学会

・原発性局所多汗症診療ガイドライン 2015 年改訂版 

多汗症治療とは

多汗症治療とは

多汗症は医療機関で治療可能な病気です。
治療方法もいくつか種類がありますが、多汗の部位や原因によって治療方法が異なります。

この項では多汗症の治療方法について解説します。

※ボツリヌス毒素製剤の注射や、イオントフォレーシス、手術療法は医療機関によって行われていない場合があります。

多汗症治療の方法

塩化アルミニウム外用薬

塩化アルミニウムが含有された外用薬を多汗部位に塗り、汗腺をふさぐことで発汗を抑えます。
日本皮膚科学会のガイドラインの中でも推奨されている治療方法で、多汗症の治療にはまず外用薬が選択されます。

かぶれやすいことや、夜寝る前に塗って朝洗い落とすことを2週間以上続ける必要があるなどのデメリットもあります。

内服薬

多汗症には、抗コリン薬の内服による治療方法もあります。

発汗を促すアセチルコリンという副交感神経の伝達物質を抑制することで、汗の量を減らします。
内服治療は多汗症の種類によって効果に個人差があります。

また、副作用があるため、持病によっては使用できない場合があります。
持病がある方やお薬を服用中の方は、医師にその旨をかならず伝えましょう。

注射

A型ボツリヌス菌毒素製剤を多汗部位に局所注射する治療方法です。
注射によって発汗を促す伝達物質アセチルコリンを抑制し、発汗を抑えます。
効果は数ヶ月持続します。

デメリットとしては、注射による痛みがあることと、一時的に筋力低下がみられる場合があります。

イオントフォレーシス

イオントフォレーシスとは、主に手のひらや足の裏の多汗症に対して行われる治療方法です。

水道水の入った容器に浸し、10〜20mAの電流を流すことで、発汗を抑える効果が期待できます。
1回30分ほどの通電を8〜12回行うと効果があるとされています。

手術

手のひらの多汗症に対して、外用薬や内服薬などの治療で効果がみられなかった場合、”交感神経遮断術“が選択されます。
手のひらの多汗症には効果が期待できる反面、それ以外の部位の発汗が増加する”代償性発汗)という合併症が起こる場合があります。

そのため、医師からの説明をしっかりと受けたうえで手術を受けるかどうかを決めましょう。
また全身麻酔で手術が行われるため、入院が必要になります。

多汗症の予防方法

多汗症の予防方法

多汗症には病気が原因になっているもののほか、原因が明らかでないものもあります。
また発汗は自分でコントロールができないため、多汗症を完全に予防することは難しいといえます。
しかし、日常生活のなかで発汗の原因となる交感神経が優位にならないようにすることも、発汗を抑える一つの方法です。

食生活を見直す

辛いもの、酸味の強いもの、コーヒーや紅茶などカフェインが入った飲み物は、交感神経を優位にし、発汗を促す作用があります。

なるべく汗を抑えるためには、交感神経を優位にするような飲食物は避けて、栄養バランスの整った食事を摂るように心がけましょう。

ストレスを溜めない

精神的なストレスは交感神経が優位になり、汗をかきやすい状態になります。
日頃からストレスを溜めないように、意識的に気分転換をすることやリラックスできる環境を作りましょう。

睡眠不足も自律神経が乱れる原因になります。睡眠時間はしっかりと取り、規則正しい生活を送りましょう。

禁煙する

一見、多汗症とは無縁なイメージのタバコですが、タバコに含まれるニコチンにも交感神経を優位にする作用があり、多汗の原因になります。
また、喫煙によって口臭も強くなり、衣類にもタバコのニオイがつきます。

汗をかくことによる体臭と喫煙による口臭、衣類についたタバコのニオイなどが混ざることで、周囲に不快感を与えてしまう可能性があります。
よって、多汗症をはじめ汗をかきやすい方は禁煙をすることが望ましいです。

神田西口クリニックの多汗症治療

神田西口クリニックは男性のためのクリニック
受付スタッフ、看護師、医師すべて男性です。
多汗症治療については、さまざまな情報が溢れているからこそ不安も大きいと思います。

なのでまずは些細なお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
一人ひとりの症状に寄り添い、オーダーメイドの処置処方を行います。

当院で取り扱っている治療薬

当院で扱っている多汗症治療薬は以下になります。

プロバンサイン錠15㎎(内服薬)

プロバンサインは、発汗を促す作用のあるアセチルコリンという伝達物質を抑制することで、汗を出にくくする作用が期待できます。
内服薬のため、全身の多汗症に効果があります。

定期的に内服する場合もありますが、頓服での使用も可能です。 効果には即効性があり、1時間前に内服しておけば、4〜5時間ほど効果が続きます。

副作用としては、口渇、便秘、目のかすみ、排尿障害(尿が出づらくなる)などがあります。緑内障の方や前立腺肥大のある方は使用できません。
普段から服用している薬がある場合、プロバンサインを服用する際には、医師や薬剤師に薬の内容をかならず伝えましょう。

エクロックゲル5%(外用薬)

2020年11月に発売された外用薬です。
アセチルコリンが汗を出すスイッチの部分に付くのを防ぐ働きがあります。
1日1回の塗布で1日効果が持続します。

副作用として、塗布部分のかぶれが一番多く、まれに口渇、便秘、目のかすみ、排尿障害(尿が出づらくなる)などがあります。
緑内障の方や前立腺肥大のある方は使用できません。

多汗症治療薬の料金

  • プロバンサイン錠15㎎(10錠セット) 3,000円 
  • エクロックゲル5% 1本約 (30プッシュ) 7,000円

多汗症治療についてのよくある質問

多汗症の原因にはさまざまなものがあります。
原因不明のものもあれば、病気が原因となっているものもあるため、一概に自然治癒するとはいえません。

暑くもないし、緊張もしていないのに大量に汗をかく、衣類に常に汗ジミがある、手に持った書類を濡れらしてしまう、電子機器が壊れてしまうなど、日常生活に支障が出てしまう症状があれば、早期に医療機関を受診しましょう。

多汗症は、部位や重症度によって特徴が異なりますし、病気や薬が原因となって起こるものもあります。
そのため自力で治すことは難しいかもしれません。
「汗をかきやすいから」という理由だけで、わざわざ医療機関を受診するのは抵抗があるかもしれません。

しかし日常生活に支障をきたすほどの発汗がみられる場合は病気であると判断し、医療機関で治療を受けることが望ましいです。
自力で何とかしようとせず、まずは医師にご相談ください。

 

気温が高いときやスポーツの後など、人より多く汗をかくことを汗かきといいます。
一方、暑くもないしスポーツもしたわけでもないのに、大量の汗をかいたり、日常生活に支障をきたしたりするほどの症状がある状態を多汗症といいます。

汗かきは生理的な発汗であるのに対して、多汗症は病気と判断されます。

しかし症状によって、自分はただの汗かきなのか、多汗症なのかの自己判断をするには難しい場合もあります。
気になる症状が続く場合は、医師の診察を受けてみることがおすすめです。

汗を出すための汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。
エクリン腺から分泌される汗には、ニオイのもとになる物質はほとんど含まれていませんが、皮膚の雑菌の影響で、いわゆる「汗くさいニオイ」を発生させます。

またアポクリン腺から分泌される汗には、タンパク質や脂質など、ニオイのもとになる物質がもとから含まれています。
アポクリン腺から出る汗が皮膚の雑菌によって分解されることで、わきが独特のニオイを発生させるのです。
よってアポクリン腺からの発汗が多い場合は、それだけ雑菌と反応する汗も増えるということですから、わきがの原因になるといえます。

わきがのニオイが気になる場合は、

  • 汗をかいたらこまめに拭き取る
  • 肌を清潔にする
  • デオドラントや外用薬の使用
  • 食生活の改善

などの対策を行ってみてください。

ニオイが気になって日常生活に支障が出る場合は、医師に相談してみましょう。

原因が明らかでない原発性多汗症の場合は、放置したとしても、生命に関わるような事態にはなりません。
しかし多汗症には、病気が原因となって起こるものもあります。

内分泌疾患や神経疾患などの病気が隠れている可能性があるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関で検査を受けるなどの対応が必要です。

多汗症は恥ずかしいことではありません

汗は人間にとって必要不可欠なものです。
汗をかけない(無汗症という病気があります)とすぐに熱中症になり命の危険にさらされやすくなります。

しかし日常生活に支障が出てしまうほどの汗をかく場合は、多汗症として治療を受けることが望ましいです

多汗症の症状や重症度によって、治療方法もさまざまなものがあります。
何らかの病気が原因となっている場合もありますので、早めに医療機関を受診しましょう。

参考:・皮膚科Q&A 汗の病気-多汗症と無汗症-

監修者

神田西口クリニック院長 鈴木 鑑

2003年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
2014年都内某クリニックにて性感染症診療に従事。
10万人以上の性感染症患者さんの悩みに寄り添い解決してきた実績がある。
2023年神田西口クリニックの院長に就任。

所属学会・資格

  • 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
  • テストステロン治療認定医
  • 日本性感染症学会
  • 日本感染症学会
  • 日本化学療法学会
  • 日本メンズヘルス医学会