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HIVに感染したかもと思ったら。検査法やHIVの予防薬、感染の原因を医師が解説

HIVに感染したかもと思ったら。検査法やHIVの予防薬、感染の原因を医師が解説

「風俗に行ってから体の調子がよくない…もしかして…」
「セックスをした相手がHIVと診断されたようだ」

上記のように、もしHIVに感染してしまったかもと思ったのなら、あなた自身の体を守るために早急の検査や対応が必要になります。
誰にも知られたくないからとそのまま放置してしまうと、命に関わる事態に繋がってしまうかもしれません。

今回はHIVに感染したかもと不安を抱える方に向けて、行うべき検査や対応などについてご説明します。

HIVに感染したかも。対処策を知りたい

HIVに感染したかも。と思ったときの対処策

HIV(Human Immunodeficiency Virus/ヒト免疫不全ウイルス)は、さまざまな病原体から体を守る免疫細胞に感染するウイルスです。
HIVが免疫細胞に感染・増殖すると、正常な免疫細胞が減っていき、数年〜数十年後に普段は感染しないような弱い病原体にも感染しやすい状態になります。

この状態をエイズ(Acquired Immuno-Deficiency Syndrome:AIDS/後天性免疫不全症候群)と呼びます。
厚生労働省の調査委員会によると、2021年の新規HIV感染者・AIDS患者は合計で1,057件。
[参考:https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/data/2021/nenpo/bunseki.pdf]

年間の国内感染者が100万人いるクラミジアなどと比べ、感染者は決して多くはありません。
しかしHIV/エイズは、1981年にはじめて発見され40年以上経った今でも完治させる方法は見つかっておらず、かかってしまったら一生付き合っていかなければならない病気です。
HIVに感染したかもと思ったら、まずはなるべく早く専門の医療機関を受診し相談することが大切です。

HIVは性行為から72時間以内だと予防できる

HIVは感染リスクのある行為を行った後でも、72時間以内であればPEP(Post Exposure Prophylaxis/曝露後予防)療法により感染を予防できます
PEP療法は、HIVに感染する可能性がある行為の後、72時間以内に2種類の抗HIV薬の内服を開始し、その後30日間に渡って内服を続けることでHIVへの感染を予防する方法です。

PEP療法の適応となるのは下記が該当する人です。

  • 性行為の後に、相手がHIV感染者であることが判明した
  • セックス中にコンドームが外れた
  • 知らない人や不特定多数の人と性行為をした
  • 性被害(レイプ)にあった
  • 医療従事者で針刺し事故にあった
  • HIV感染者の血液が傷口や粘膜に触れた など

PEP療法は正しく行えば80%以上の確率でHIVへの感染を予防できます。
ただし、72時間以内に開始しなかったり、内服忘れがあったりすると効果が十分に得られません。

すでにHIVに感染している方やB型肝炎に罹患している方、また腎機能や肝機能が悪い方はPEP療法を受けられないため、事前検査が必要となります。

性行為から時間が経過していたらまずは医師に相談を

性行為後72時間以上経過している場合は、PEP療法の効果は下がります。
しかし、それでも実施した方が感染率は下がります

HIVは感染初期は検査をしても陰性となる”ウインドウ期(ウインドウピリオド)”という期間があり、
感染する可能性のある行為からある程度時間をあけて検査を受けないと正しい結果が出ません。

大体1ヶ月以降からHIVを検出できるようになるようですが、念のために3ヶ月以降経過してからの検査がおすすめです。
最適な検査時期などを判断するためにも、まずは一度専門の医療機関を受診し医師に相談しましょう。

HIV感染の可能性

HIV感染の可能性

HIV感染者は血液、精液、膣分泌液、母乳などにウイルスが分泌されます。
汗や尿、唾液にはウイルスはあまり含まれておらず感染源にはなりません。
傷のある皮膚や粘膜に感染源となる体液が触れることにより感染が成立します。

HIVが他の性病と異なるのは、傷のある皮膚や粘膜に体液が触れても感染しない確率が高い点。
そのため、粘膜同士の接触で容易に感染するような他の性病に比べて、HIVは比較的感染者が少ないです。

セックスでのHIV感染の確率

コンドームを使わないで挿入による性行為(膣性交、アナルセックス)を行った場合、感染の確率は0.1〜1%ほどと考えられています。
参考:https://www.hivkensa.com/knowledge/whatis

思った以上に感染率が高くないと感じたのではないでしょうか。
100回に1回以下の感染率なら、きっと大丈夫だと胸を撫で下ろした方もいるでしょう。

ただ、ペニスに傷がある場合には感染率が上がるので特に注意が必要です。
他の性病に感染している場合も、ペニスが炎症を起こしていたり傷つきやすかったりするため、HIVの感染確率が上がります。

オーラルセックスでもHIVは感染する

オーラルセックス(フェラチオやクンニリングス)でもHIVが感染する可能性があります
粘膜は傷つきやすいため、口の中も性器も容易な刺激で傷つき出血します。

例えばフェラチオでは、相手の口内に出血があれば尿道粘膜からHIVが感染してしまう可能性がありますし、加えてフェラチオの最中に歯などでペニスに傷ができればそこから感染する可能性も。
また、クンニリングスは相手の膣分泌物が口内の粘膜に触れるために、フェラチオよりも感染確率が上がります。

アナルセックスでもHIVは感染する

腸粘膜は膣や口の粘膜よりもさらに傷つき出血しやすい構造になっています。
そのため、アナルセックス(肛門性交)は膣性交よりもHIV感染率が高め
HIVでは特に男性同士のアナルセックスで感染する可能性が高いことがさまざまな調査により明らかになっています。

そうした背景もあり、国内のHIV感染者の9割以上が男性というデータが出ています。

参考:https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/data/2021/nenpo/bunseki.pdf

性行為以外でもHIVは感染する?

性行為以外でHIVが感染する経路としては、「血液感染」「母子感染」の2つがあげられます。
血液感染とはその名の通り血液を介して感染すること。

輸血(現在は赤十字によって厳格なHIV検査が行われており輸血が原因で感染する可能性はほとんどない)や医療現場での針刺し事故、違法な麻薬使用時の注射針の使い回しによる感染がこの血液感染に該当します。

母子感染とは母から子への感染のこと。
胎内での感染、出産時の産道での感染、母乳を介しての感染が母子感染に当たります。

HIVの検査法と治療法

HIVの検査法と治療法

HIVの検査は採血検査です。
血液中に含まれるHIVを調べる検査のため、体内にウイルスが増えてからでないと正しい検査結果が得られません。

そのため、感染する可能性のある行為から、3ヶ月経ってからの検査が望ましいです。
検査にはその日のうちに結果が出る迅速検査と、結果が出るまでに3日~1週間程度かかるものとがあります。

献血を受ければHIVに感染しているかわかると思っていらっしゃる方がいますが、現在は献血者にHIV検査結果が伝えられることはありません。
検査目的での献血は、献血される側の人を危険に晒す行為です。
HIVに感染した可能性がある状態での献血は絶対にやめてください。

HIVの治療の大前提として、現代の医学ではまだHIVを体から消し去る方法がないことを理解しておかなくてはいけません。
しかしながら「死に直結する病気」と恐れられていた頃から医療技術は格段に進歩し、今や治療をきちんと受けていればHIV感染者でも感染していない人と同等の寿命が期待できるまでになりました。

HIVの治療は抗HIV療法と呼ばれています。
HIVに感染した場合には、できるだけ早くこの抗HIV療法を開始することが大切です。
抗HIV療法は、抗HIV薬を1日1回1錠毎日内服するという簡単な治療です。

ただし内服を中断したり飲み忘れが多かったりすると、ウイルスが抗HIV薬に対して耐性を獲得し薬が効かなくなる危険があります。

HIVに感染しないための予防法

コンドームの使用

HIVに感染しないための予防法

コンドームの使用は、他の性病と同様にHIV感染率も下げることに繋がります。
挿入時だけでなくオーラルセックスの際にも着用することが大切です。

クンニリングスの際には、コンドームを切り広げたものやラップを使用し、女性の性器周囲に直接口が触れないよう対策すると良いでしょう。

定期的な性病検査

他の性病に感染していると、HIVに感染する確率が上がります。
HIVの予防のためには、他の性病に感染しないように気をつけること、性病に感染した場合には早期発見・早期治療をすることが大切です。

男性の性病は無症状の割合が高く、症状が出ても軽微で気がつかないことが多くあります。
知らず知らずのうちに性病に感染し、HIV感染リスクを高めてしまわないように、定期的に性病検査を受けるのがおすすめです。

HIV予防薬の服用

HIV予防薬には、性行為後の緊急予防措置として使用するPEP療法だけでなく、性行為の前にあらかじめ毎日内服することでHIV感染のリスクを下げる”PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis/曝露前予防)療法”や、リスクのある性行為の前後に使用しHIV感染のリスクを下げる”オンデマンドPrEP療法”という使い方があります。

PrEP療法・オンデマンドPrEP療法は、以下のようなHIV感染リスクが高い方に推奨されます。

  • パートナーがHIV感染者
  • 不特定多数との性行為をする予定がある
  • コンドームなしで肛門性交(アナルセックス)をする予定がある
  • 性風俗で働いている
  • 過去6か月のうちに他の性感染症にかかった

PrEP療法は、少なくとも性行為の10日前から開始しておく必要があります。
10日経過するまでは十分な効果が得られないため、10日経過前の性行為は避けることが大切です。
正しく服用すればHIV感染者と性行為をしても、90%以上の確率でHIVへの感染を予防できます。

オンデマンドPrEP療法は、性行為の2〜24時間前に抗HIV薬を2錠内服し、その24時間と48時間後にも1錠ずつ内服する必要があります。
オンデマンドPrEP療法も正しく服用すれば80%以上の確率でHIVへの感染を予防できます。

神田西口クリニックのHIV治療について

当院ではHIV治療は行っておりません。
HIV検査とHIV予防投与を取り扱っております。
検査結果が陽性の際にはエイズ治療拠点病院に紹介させていただきます。

神田西口クリニックは男性のためのクリニック
受付スタッフ、看護師、医師すべて男性です。
HIVについては、さまざまな情報が溢れているからこそ不安も大きいと思います。

なのでまずは些細なお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
一人ひとりの症状に寄り添い、オーダーメイドの処置処方を行います。

HIV検査とHIV予防投与の料金

【検査】

HIV-1.2抗原抗体検査(血液) 4,500円

HIV-1.2抗原抗体迅速検査(血液) 6,000円

【HIV予防投与】

HIV予防投与については下記をご覧ください。

よくある質問〜HIVに感染したかもと思ったら〜

HIV感染初期(感染から2〜6週間後)に生じる発熱や頭痛などのインフルエンザに似た症状は、感染者の50〜90%に生じるとされています。
性病としては比較的発現率の高い症状だと言えますが、必ず生じる訳ではありません。
症状がなくてもHIV感染を疑う行為があったのなら、無症状でも検査を受けられることをおすすめします。

HIVに感染した状態で無治療のまま放置すると、徐々に体内の免疫細胞が減っていき、数年〜数十年後にはエイズを発症する可能性があります。

エイズは健康であればなんともないような弱い病原体にも感染してしまう免疫不全の状態であり、高い確率で命を脅かす事態になります。

HIVは決して無治療のまま放置してはいけません。

HIVは性病の中でも感染率としては比較的低い感染症です。
とはいえ、HIV感染者との性行為は1回でも運悪く感染してしまうことがありますし、感染したら一生抱えていかなければならない病気だと思うと、感染率が低くても不安に思うのは当然でしょう。

ネットでHIVやエイズについて検索すると、注意喚起のために恐ろしいことがたくさん書かれていますし、色々調べていると大きな精神的ストレスになります。
ひとまず一旦そうした情報からは距離を置き、心を落ち着かせる時間をとることが大切です。

HIVに感染していてもしていなくても、ストレスにより体調を崩してしまっては元も子もありません。
ご不安があまりに強いようでしたら、一度受診し医師に相談してみても良いでしょう。

気持ちを吐き出すことで、心が軽くなるかもしれません。
そして、何よりも検査を行うのが一番よいです。

HIVに感染したかもと思ったらまずは医療機関で相談しましょう

今回はHIVに感染したかもと不安を抱える方に向けて、行うべき検査や対応、HIVの治療や予防法などについてご説明しました。
HIVは感染率が低く、容易に感染するものではありません。

ただ運悪くたった1回の性行為で感染してしまうという可能性も全くゼロではないため、「もしかして」と少しでも思われるなら、HIV検査を受け、PEP療法を受けることをおすすめします。

日常的に不特定多数の方とセックスを行う人や、同性同士でセックスをする機会が多い人に関しては、PrEP療法やオンデマンドPrEP療法も活用しましょう。

HIVは医療技術が進んだ現在でも、完治させることができない病気です。
かかってしまったらその後ずっと継続的に、治療を受けていく必要があります。
HIVに感染しないよう、十分に気をつけながら性生活を送ることが大切です。

監修者

神田西口クリニック院長 鈴木 鑑

2003年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
2014年都内某クリニックにて性感染症診療に従事。
10万人以上の性感染症患者さんの悩みに寄り添い解決してきた実績がある。
2023年神田西口クリニックの院長に就任。

所属学会・資格

  • 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
  • テストステロン治療認定医
  • 日本性感染症学会
  • 日本感染症学会
  • 日本化学療法学会
  • 日本メンズヘルス医学会