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オーラルセックス(フェラチオ)でも性病は感染する。感染したときの症状や予防法を医師が解説

オーラルセックス(フェラチオ)でも性病は感染する。感染したときの症状や予防法を医師が解説

「性病は性器に感染する病気で、コンドームを使用することによって感染率を下げることができる」
という知識は、今や多くの人々に浸透しました。
しかし一方で、「本番(セックス)をしなければ性病には感染しない」という間違った認識の方もいます。

性病は、たとえ本番にあたる挿入行為をしていなくても、オーラルセックスであるフェラチオやクンニリングスで感染することがあるのです
今回はオーラルセックスで感染する性病やその症状、予防法などについて解説します。

オーラルセックスでも性病はうつる

オーラルセックスでも性病はうつる

オーラルセックス(口腔性交)とは、口や舌で性器を愛撫する性行為のこと。
一般的には、フェラチオ(フェラ)やクンニリングス(クンニ)と呼ばれています。
性病は性器同士の接触で感染するだけでなく、このオーラルセックスによって口の中やのどにも感染するのです。

例えば、性器に性病を持っている人に対してフェラチオやクンニリングスを行い、性病がのどに感染することもあれば、のどに性病を持っている人がフェラチオやクンニリングスを行うことで性器に性病を感染させてしまうこともあります。

オーラルセックスによる性病の感染率

性病の感染率は、病原菌の感染力の強さや、人の免疫力、コンドームの着用の有無などによって左右されます。
感染力が強い病原菌の場合には、1回の行為で性病に感染してしまうことも珍しくありません

日本人は特にオーラルセックスを好むと言われており、のどや口の中への性病の感染率が高い傾向にあります。
とある調査では7割以上のカップルがオーラルセックスを行っているという結果も。

妊娠の心配がないオーラルセックスは、若い世代にとって手軽な性行為として日常化しているようです。
問題は、オーラルセックスの際にコンドームを使用するのは、たった2割程度のカップルだけだということ。

本番(挿入時)ではコンドームをしても、オーラルセックスではしないという人が多くいます。
性器に性病が感染している人の約10~30%程度は、のどにも性病を持っているとされています。

また、性器には感染していないのに口の中やのどに性病が感染している方が増えてきています。
若い人を中心に、オーラルセックスが要因で性病が蔓延している可能性も示唆されているのです。

参考:オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A

オーラルセックスで感染する性病と感染経路

オーラルセックスで感染する性病と感染経路

ここからはオーラルセックスによって感染する性病の病原菌毎に、特徴や感染経路をご紹介しましょう。

淋病

淋病は淋菌が感染することで起こる性病です。
のどに感染すると咽頭(いんとう)淋菌と呼ばれます。
淋菌がのどに感染した場合、ほとんどの方は症状が出ません

まれに喉の痛みや違和感などを感じる方もいますが、のど風邪に似た症状でもあるため、「まさか性病が原因だとは思わなかった」という方も多くいらっしゃいます。
症状が出ないのは、決してラッキーなことではありません。
咽頭淋菌は症状は出なくても、オーラルセックスやディープキスを通して他の人を感染させてしまう力を持っています。

淋菌は1度の性行為で感染する可能性が30%とのどの性病の中でも特に感染力が高く、感染しても気がつかないまま性行為を行い感染を広げてしまうケースが多くあるのです。
淋菌のオーラルセックスによる感染経路は下記の通りです。

 感染経路

感染成立の可能性

男性器にフェラチオする場合


性器からのどへの感染

可能性あり

のどから性器への感染

可能性あり

女性器にクンニリングスする場合


性器からのどへの感染

可能性はあるが比較的低い

のどから性器への感染

可能性はあるが比較的低い

クラミジア

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスという病原菌が性器に感染することで生じます。
世界で最も感染者が多い性病で、特に若い女性の感染者が多いです。
クラミジアがのどに感染すると、咽頭クラミジアと呼ばれます。

咽頭淋菌と同様に、咽頭クラミジアも症状が出にくく、出ても喉の痛みや違和感などの風邪に似た症状であることが特徴です。
咽頭クラミジアのオーラルセックスによる感染経路は下記の通りです。

 感染経路

感染成立の可能性

男性器にフェラチオする場合


性器からのどへの感染

可能性あり

のどから性器への感染

可能性あり

女性器にクンニリングスする場合


性器からのどへの感染

可能性はあるが比較的低い

のどから性器への感染

可能性はあるが比較的低い

梅毒

梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原菌が原因で生じる性病です。
性行為などにより粘膜や皮膚の傷から体内へ侵入し感染します。
梅毒は症状の進行具合により、第1~4期といった4つの段階に分けられており、進行していくと臓器まで冒され命に関わる事態になることも。

感染から3週間〜3ヶ月経過した第1期では、感染した場所に痛みを伴わないしこり・ただれ・出来物などが生じます。
オーラルセックスにより口の中やのどに感染した場合は、口周りやのどの周りにしこりやただれ、出来物ができます。

痛みがないために症状に気がつかなかったり、「病院に行くほどではない」と無治療で放置してしまう方もいるようです。
梅毒は近年患者数が増加傾向にあり、厚生労働省や国立感染症研究所より注意喚起がなされています。

 感染経路

感染成立の可能性

男性器にフェラチオする場合


性器から口の中・のどへの感染


粘膜にわずかでも傷がある場合、感染してしまう可能性が高い
口の中・のどから性器への感染


女性器にクンニリングスする場合


性器から口の中・のどへの感染


口の中・のどから性器への感染


HIV/エイズ

HIV(Human Immunodeficiency Virus/ヒト免疫不全ウイルス)は、人の免疫細胞に感染するウイルスで、感染するとHIV感染症を引き起こします。
エイズ(AIDS:Acquired Immuno-Deficiency Syndrome/後天性免疫不全症候群)とは、HIV感染症が進行し免疫細胞が減ってしまうことで引き起こされる免疫不全の状態。

HIVは血液や精液、膣分泌物や母乳を介して感染しますが、唾液にはHIVが含まれません。
つまりはオーラルセックスの場合、される方よりもする方にリスクが生じます
ただHIVは性病の中でも感染力は強くないウイルスで、一度の行為で感染する可能性は高くはありません。

 感染経路

感染成立の可能性

男性器にフェラチオする場合


性器から口の中・のどへの感染
可能性はあるが高くない


口の中・のどから性器への感染


可能性は低い(口内に出血がある場合は可能性が上がる)
女性器にクンニリングスする場合


性器から口の中・のどへの感染可能性はあるが高くない


口の中・のどから性器への感染


可能性は低い(口内に出血がある場合は可能性が上がる)

ヘルペスウイルス

ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスⅠ型、Ⅱ型によって生じる感染症です。
口唇に症状が出る”口唇ヘルペス”と、性器に症状が出る”性器ヘルペス”があります。
「口唇ヘルペスが性病?」と首を傾げる方もいるのではないでしょうか。

実は口唇ヘルペスは、オーラルセックスによって性器に感染してしまうことがあるのです
そして逆に、性器ヘルペスが口周りに感染してしまうことも。
ヘルペスは接触だけで感染してしまうほどに感染力が強く、オーラルセックスやディープキスなどで容易に口周りやのどに感染します。

発症すると唇や口の中にただれや出来物が生じ、違和感や痛みを感じます。
ヘルペスウイルスは一度感染すると、現代の医療では体内から完全に消し去ることは出来ず、一生ウイルスと共生していかなければなりません。

症状が消失しても、免疫が弱まるタイミングで再発を繰り返すのが特徴です。

 感染経路

感染成立の可能性

男性器にフェラチオする場合


性器から口周りへの感染


可能性あり

口周りから性器への感染



可能性あり

女性器にクンニリングスする場合


性器から口周りへの感染


可能性あり


口周りから性器への感染


可能性あり



のどの性病は感染しても無症状のケースも多い

実はのどに性病が感染した場合は、性器に感染するよりも症状が出にくいとされています。
元々性病自体が無症状感染者が多い中、のどへの感染はそれに輪をかけて無症状感染者が多いのです。

そのため、知らず知らずのうちにのどに性病が感染し、無自覚のまま他人にうつしてしまうことが珍しくありません。
のどへの無症状での性病感染が、国内の性病の蔓延を助長しているという見方もあります。

オーラルセックスによる性病の予防方法

オーラルセックスによる性病の予防方法

オーラルセックスで性病を予防するには、フェラチオの時にもコンドームを着用すること、そしてクンニリングスの時にはラップなどを使用し粘膜や体液(精液・膣分泌物)への直接の接触を避けることが重要です。
避妊だけではなく性病予防としても、コンドームは大変優秀*です。
(*100%性病に感染しないという完璧な対策ではありません。)

ゴムの匂いが苦手な方向けに、今はフレーバー付きのコンドームも販売されています。
性病の予防には、オーラルセックスの前にもコンドームを着用することをおすすめします。

神田西口クリニックの性感染症科について

神田西口クリニックは男性のためのクリニック
受付スタッフ、看護師、医師すべて男性です。
性病については、さまざまな情報が溢れているからこそ不安も大きいと思います。

なのでまずは些細なお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
一人ひとりの症状に寄り添い、オーダーメイドの処置処方を行います。

オーラルセックスによる性病のよくある質問

たとえ口外に射精したとしても、オーラルセックスによって性病が感染することは大いにあり得ます。
性病は粘膜同士の接触が原因で感染するものが多く、射精の有無はあまり関係ありません(HIVなどの精液が感染媒体となるものは例外です)。

口内で射精しない場合にも、オーラルセックスはコンドームを着用して行いましょう。

相手の口の中に口内炎や傷がある場合には、オーラルセックスは避けた方が良いでしょう。
梅毒やHIVなどの性病は、血液や傷口などを介して感染します。

口の中に口内炎・傷がある場合には、自分も相手もリスクを背負うことになりますので、オーラルセックスは避けましょう。

風俗店で勤務をする方々の中には、性病に関しての知識をしっかりもち、定期的に検査を受けて対策をしてらっしゃる方もいます。
ただし、一方で風俗店勤務の方ののどの性病保有率が高いのも確かです。
風俗店で本番はしていないのに性病に感染してしまうケースが多くあります。

風俗店でフェラチオを受ける場合には、きちんとコンドームを着用しましょう。
そしてクンニリングスを行う場合にも、ラップなどできちんと対策を行いましょう。

性器の性病は放置すると重症化する可能性がある一方、のどの性病は、無症状であれば放置しても悪化する可能性はほとんどありません。
しかしながら、性病を無治療のまま放置すると、オーラルセックスなどを通して他の人に感染させてしまう可能性が大いにあります。

性病は放置せずにきちんと治療を受けましょう。

予防や検査で性病の蔓延を防ぎましょう

今回はオーラルセックスで感染する性病やその症状、予防法などについてご紹介しました。
オーラルセックスは妊娠を避けたい若者にとっては、手軽にできる性行為なのでしょう。
しかし、オーラルセックスは口の中やのどに性病が感染する原因になります。

何も使用しないまま無防備にオーラルセックスを行うことは危険です。
フェラチオの際にはコンドームを着用し、またクンニリングスの際には、ラップなどを使用して直接粘膜や膣分泌物に接触することがないよう気をつけましょう。

少し面倒に思えるかもしれませんが、このような対策が自分自身や周囲の大切な人を守ることに繋がります。
喉に気になる症状がある方、不安なことがある方はぜひお気軽にご相談ください。

監修者

神田西口クリニック院長 鈴木 鑑

2003年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
2014年都内某クリニックにて性感染症診療に従事。
10万人以上の性感染症患者さんの悩みに寄り添い解決してきた実績がある。
2023年神田西口クリニックの院長に就任。

所属学会・資格

  • 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
  • テストステロン治療認定医
  • 日本性感染症学会
  • 日本感染症学会
  • 日本化学療法学会
  • 日本メンズヘルス医学会