早漏とは、一般的に射精までの時間が意思に反して短くなってしまうこと。
調査によると、日本人男性の約3.5人に1人もの人々が早漏で悩んでいるという報告もあります。
こちらの記事では早漏の原因や対策・改善方法、治療などについてご紹介します。
目次
早漏とは
早漏とは、一般的に射精までの時間が意思に反して短くなってしまうことを指します。
性機能障害のうちの射精機能障害に分類され、自身が早漏だと感じている男性は国内で1,300万人(3.5人に1人)にものぼるというデータも。
早漏は充実したセックスの妨げとなりパートナーとの不和の原因に繋がる可能性があると共に、自信喪失を起こし不安やストレスを招く、深刻な問題です。
早漏の定義
早漏の定義は各医学会などにより多少異なりますが、国際性医学会(ISSM)で発表された下記内容が一般的な認識として主に広まっているようです。
- ほとんどいつも、膣内挿入前または挿入後1分以内に射精が起こる
- 膣内挿入時に射精のタイミングを遅らせることができない
- 早漏に対する悩みや苦痛を感じている、または性行為自体に負担を感じ避けている
この3項目全てに該当する方が早漏の状態と定義されていますが、この射精に至るまでの時間は目安でしかありません。
例えば射精までの時間が3分や5分であったとしても自身やパートナーが満足できていないのなら、早漏だと認識されます。
早漏の問題点
早漏は性機能障害の中でも、「治療の必要がないもの」という認識で軽んじられる傾向にあります。
しかしながら充実したセックスが叶わないことでパートナーとの関係に悪影響を与えたり、自信の喪失やストレスに繋がったりと、早漏によって生じる弊害は決して軽んじて良いものではありません。
欧米では早漏は重大な性機能障害であるとして離婚の理由に認められているほど、大きな問題として扱われています。
男性と女性の性行為に関する平均値
さまざまな民間調査によると、男性と女性との間でオーガニズムに達するまでの時間や挿入時間に関して、下記のような結果が出ています。
男性 | 女性 | |
射精・オーガニズムに達するまでの平均時間 | 5〜10分 | 20〜30分 |
理想的な膣内挿入の平均時間 | 10〜15分 | 5〜20分 |
調査結果を元に分析すると、男性にとっても女性にとっても理想的な膣内挿入時間の平均は10分前後であることが汲み取れます。
ただ大前提として、セックスに関する感じ方は人それぞれ。
上記の表に記載されている時間はあくまでも調査の平均値であり、あなたやあなたのパートナーに適する数字ではないかもしれません。
何よりも大切なのは、平均値を気にすることよりもあなたやあなたのパートナーにとってより良いセックスを目指すことです。
早漏の原因
早漏の原因には敏感性、衰弱性、心因性の3つがあります。
3つの内の1つ、もしくは複合的に組み合わさることが早漏の原因となります。
敏感性早漏
敏感(過敏)性早漏は、性的刺激に敏感すぎるために少ない刺激により短時間で射精してしまうもの。
性的経験が乏しい方や、アスリートなどの運動時間が長い方、亀頭刺激に敏感な包茎の方に多いとされ、20〜30代の健康的な若者に生じやすいタイプです。
性的刺激は通常脳で処理され勃起・射精へと繋がりますが、敏感性早漏の場合は陰茎が敏感に刺激を感じ取り脳に性的刺激が至る前に興奮、射精に至ってしまいます。
敏感性早漏は、セックスの経験を重ねることで次第に刺激に慣れて改善する場合も。
早漏治療薬の使用の他、刺激に慣れさせるトレーニングをするのも改善のために有効な手段です。
衰弱性早漏
衰弱性早漏は、筋肉の衰えにより射精までの時間が短くなってしまうもの。
筋肉の衰えは加齢や運動不足、男性ホルモンの低下などによって生じます。
40〜50代の方に多いタイプの早漏です。
改善には早漏治療薬・ED治療薬の使用や、骨盤底筋(肛門付近にあり勃起や射精時に使用する筋肉)を刺激し鍛えるなどの方法が有効です。
心因性早漏
心因性早漏は、不安や緊張などの精神的ストレスにより短時間で射精してしまうもの。
人間は、交感神経・副交感神経という自律神経が上手くバランスをとることで日々生活しています。
それはセックスに関しても同じ。
セックスの際には副交感神経が優位のリラックスした状態で勃起し、性的な興奮により交感神経が優位となることで射精に至ります。
自律神経は精神状態に大きな影響を受けてしまう繊細な機能です。
極度の緊張や不安があると交感神経が優位になりやすく、結果射精が早まってしまいます。
症状が重い方の中には刺激を与えなくても想像するだけで射精に至ってしまう場合も。
心因性早漏は、セックスに対して極度の緊張や興奮を抱きやすい性的経験が乏しい方や、日々の生活や仕事で大きなストレスを抱えている人に生じやすいです。
改善には「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質である”セロトニン”を増やすことが大切。
セロトニンはストレスにより減少してしまうため、ストレス源から距離を置いたり、ストレスを解消したり、早漏治療薬を使用したりといった方法が有効です。
早漏の改善法
早漏は「射精のコントロール」、「早漏治療薬の使用」、「ED治療」を行うことにより改善が期待できます。
それぞれ順番に説明しましょう。
射精のコントロール
まず早漏の改善のために試してみてほしいのは、射精のコントロールです。
「射精をコントロールできないから早漏なんじゃないか」という声もありそうですが、膣挿入時の射精は回数を重ねることで次第にコントロールできるようになる方が多くいます。
パートナーに協力してもらい、改善を目指してセックスの回数を重ねてみるのは有効な改善手段です。マスターベーション(オナニー)の際に行う早漏のリハビリもあります。
“スタート&ストップ法”と呼ばれる早漏リハビリの手順は、下記の通り。
- 通常通りマスターベーションを行う
- 射精しそうになったら手を止める
- 射精感が落ち着いたらマスターベーションを再開する
- 1〜3の手順を3回繰り返し、その後に射精する
このリハビリにより多くの男性が早漏改善に繋がったとされる報告もあります。
早漏治療薬の使用
射精コントロールの手段を試してみたけどあまり効果が得られなかった方や、早漏改善に即効性をお望みの方は、薬を使用した早漏治療もご検討ください。
早漏治療薬として主に使用されるのは、”パロキセチン”という飲み薬。
日本では抗うつ薬として承認されています。海外では”ダポキセチン”という早漏治療薬があり、昔は日本でも輸入して使われおりましたが、最近は流通量が少なく、日本で見る機会が減りました。
また、偽物も流通しているのでご注意下さい。
パロキセチンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の一つ。
その名の通りセロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニンの働きを強める効果があります。
射精は自律神経のバランスに大きな影響を受けています。
自律神経のバランスを整え極度の興奮や緊張を緩めることにより、射精の延長が期待できるのです。
パロキセチンは即効性があるのに副作用も少ないという嬉しい特徴も。
主に報告されている副作用は、不眠、頭痛、めまい、吐き気、下痢などです。
ED治療
早漏の中にはEDが原因で生じているケースもあり、ED治療薬の使用で射精時間が延長することがあります。
また、EDが原因以外の早漏でも、ED治療薬が効果を示す場合も。
ED治療に使用されるバイアグラなどの飲み薬は、使用することで勃起状態により硬さを増す効果がありますが、硬さが増すということは刺激にも強くなるため、敏感性早漏や衰弱性早漏では射精時間の延長が期待できるのです。
ED治療薬は早漏治療薬のパロキセチンと合わせて使用することが可能で、併用することでより高い改善効果が期待できます。
早漏の原因が複合的に合わさっている難治性の早漏の場合には、ED治療薬と早漏治療薬を併用してみると良いでしょう。
神田西口クリニックの早漏治療
神田西口クリニックは男性のためのクリニック。
受付スタッフ、看護師、医師すべて男性です。
早漏については、さまざまな情報が溢れているからこそ不安も大きいと思います。
なのでまずは些細なお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
一人ひとりの症状に寄り添い、オーダーメイドの処置処方を行います。
早漏治療の料金
早漏治療薬 800円/錠
早漏についてのよくある質問
早漏治療に副作用はありますか?
早漏治療薬であるパロキセチンには、下記のような副作用が確認されています。
- 神経系症状:不眠、不安
- 精神系症状:めまい、頭痛
- 胃腸障害:吐き気、嘔吐、下痢、便秘 など
どんな薬にも副作用はつきものです。
パロキセチンの副作用は軽微な方であるため、副作用についてあまり心配する必要はありません。
ご不安な場合は受診時にお気軽にご相談ください。
生活習慣の乱れも早漏の原因になりますか?
生活の乱れも早漏に影響を及ぼします。
射精は自律神経の影響を受けているため、生活の乱れにより体調が悪い状態では上手く射精をコントロールできない場合も。
早漏の改善を目指すのなら規則正しい生活を送り、自律神経を整えることも大切です。
早漏治療で自信を取り戻そう
今回は早漏の原因や対策、改善・治療方法などについてご紹介しました。
以前まで早漏は「病気じゃない」「治療するほどの症状ではない」というイメージが浸透しており、誰にも相談できず密かにコンプレックスとして抱える男性が多くいました。
しかし早漏はその多くが日々のリハビリやトレーニングなどにより改善が可能です。
努力してもなかなか改善しないという方には、薬を使用する早漏治療という手段もあります。
早漏だからと今までパートナーとのセックスを満足に楽しめなかった方、セックスを意図的に避けていた方、自分への自信を持てないでいた方など、早漏によって悩みを抱えている方は、ぜひ一度当院に受診しご相談ください。
男性医師が、最適な治療をご提案いたします。
監修者

神田西口クリニック院長 鈴木 鑑
2003年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
2014年都内某クリニックにて性感染症診療に従事。
10万人以上の性感染症患者さんの悩みに寄り添い解決してきた実績がある。
2023年神田西口クリニックの院長に就任。
所属学会・資格
- 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
- テストステロン治療認定医
- 日本性感染症学会
- 日本感染症学会
- 日本化学療法学会
- 日本メンズヘルス医学会