性病の予防にコンドームが有効であることが知識として広まり、性病の多くは減少傾向にあります。
ただ近年梅毒の感染が広がり、国立感染症研究所が警鐘を鳴らすなど、まだまだ性病の感染は他人事ではないのが現状です。
もしも「性病にかかったかもしれない」「パートナーが性病かもしれない」と不安を抱えているなら、迷わず性病検査を受けましょう。
性病検査を検討している方に向けて、男性の性病検査の方法や費用などについて解説します。
目次
性病検査はなぜ必要?
性病(STI: Sexually Transmitted Infections/性感染症)とは、セックスなどの性的接触によって感染する病気の総称。
感染する部位は、咽頭(のど)や肛門、眼など性器のみに限らないのも特徴です。
性病が疑われる場合は、病原体を特定するために検査を受けることがとても大切です。
理由は、性病の症状は似ているものが多いため、症状だけではどの病原体に感染したのかわからないケースが多いからです。
治療に使われる薬は原因となる病原体によって異なり、誤って別の薬が使われた場合は症状が悪化する可能性もあります。
また、性病は半数以上が無症状だとされています。
「現在症状はないんだから検査を受ける必要はない」
そう考える方もいるでしょう。
しかし症状がないからといって、検査や治療を受けずに性病を放置するのはおすすめできません。
現在は無症状でも、今後発症する可能性は十分にあります。
重症化すれば最悪命に関わることも。
性病は無症状・軽症の場合も男性不妊に繋がる可能性もあります。
その他、性器の見た目が変化したり、年に何回も再発を繰り返したりと、性病の放置は自身の身体に悪影響を及ぼします。
また、症状がなくても他人に感染させるため、性行為を行えば感染を広げることになります。
性病に感染した可能性がある場合は、必ず性病検査を受けましょう。
早期に検査を受け治療を開始することが、自身とパートナーの体と未来を守ることに繋がります。
男性の性病検査の種類
性病の検査には尿検査・うがい検査・皮膚検査があり、症状や想定される性病によって最適な検査を行います。
ヒアリング内容によっては、複数の検査を同時に提案するケースも多いです。
尿検査
尿検査でわかる性病は、下記の通りです。
- クラミジア
- 淋菌
- トリコモナス
- カンジダ
- マイコプラズマ
- ウレアプラズマ
尿検査には精密検査と迅速検査の2種類があり
精密検査では1週間程度、迅速検査は15分~30分程度で結果が出ます。(菌の種類により迅速検査が出来ないものもあります)
精密検査は迅速検査よりも精度が高いため、症状がない場合におすすめすることが多いです。
血液検査
血液検査でわかる性病は、下記の通りです。
- HIV
- 梅毒
- 性器ヘルペス(原則、過去の感染の有無)
- B型肝炎
- C型肝炎
血液検査で調べるのは病原体の抗体です。
抗体ができるまでの期間は病原体によって様々ですが、数週間〜数ヶ月掛かる場合もあるため、検査可能時期が比較的遅いのが特徴です。
うがい検査
うがい検査は、主に喉に菌やウイルスが感染した可能性のある場合に行います。
喉に感染する可能性があり、うがい検査で判明する性病は下記の通りです。
- クラミジア
- 淋菌
- マイコプラズマ
- ウレアプラズマ
皮膚検査
皮膚検査とは、皮膚に症状が出ている場合に行う検査です。
例えば性器ヘルペスでは、水ぶくれが破裂した後の傷口に綿棒をこすりつけて検査を行います。
皮膚検査で感染が判明する性病は下記の通りです。
- 性器ヘルペス
- 尖圭コンジローマ
性病検査の費用
各性病検査の費用、またお得な検査セットの費用をご紹介します。
性感染症 検査費用
病気名 | 料金 |
---|---|
クラミジア(尿) | 4,500円 (迅速検査 7,700円) |
淋菌(尿) | 4,500円 (迅速検査 7,700円) |
クラミジア+淋菌(尿) | 7,700円 |
一般細菌+真菌(尿) | 4,500円 |
マイコプラズマ+ウレアプラズマ(尿) | 7,700円 |
トリコモナス(尿) | 4,500円 |
クラミジア(咽頭) | 4,500円 |
淋菌(咽頭) | 4,500円 |
クラミジア+淋菌(咽頭) | 7,700円 |
マイコプラズマ+ウレアプラズマ(咽頭) | 7,700円 |
梅毒(血液) | 4,500円 (迅速検査 6,000円) |
HIV(血液) | 4,500円 (迅速検査 6,000円) |
性器ヘルペス(血液) | 4,500円 (迅速検査 6,000円) |
B型肝炎(血液) | 4,500円 (迅速検査 6,000円) |
C型肝炎(血液) | 4,500円 (迅速検査は対応しておりません) |
※現在、単品では対応しておりません。 性病検査フルセット•性の定期検診(プレミアム)では皮膚カンジダ検査のみ対応していますのでご検討ください。 | |
HPV低リスク(皮膚) | 7,700円 |
HPV高リスク(皮膚) | 7,700円 |
HPV高&低リスク(皮膚) | 14,500円 |
検査セット
尿検査セット(ライト) ・クラミジア ・淋菌 ・マイコプラズマ+ウレアプラズマ | 14,500円 |
尿検査セット(スタンダード) ・クラミジア ・淋菌 ・マイコプラズマ+ウレアプラズマ ・トリコモナス ・一般細菌+カンジダ | 21,500円 |
血液検査セット(ライト) ・HIV ・梅毒 ・B型肝炎 | 11,500円 |
血液検査セット(スタンダード) ・HIV ・梅毒 ・性器ヘルペス ・B型肝炎 ・C型肝炎 | 19,500円 |
性感染症検査 フルセット
・HIV(血液) ・梅毒(血液) ・B型肝炎(血液) ・C型肝炎(血液) ・性器ヘルペス(血液) ・クラミジア(尿&咽頭) ・淋菌(尿&咽頭) ・マイコプラズマ+ウレアプラズマ(尿&咽頭) ・トリコモナス(尿) ・一般細菌+カンジダ(尿) ・カンジダ(皮膚) ・HPV低&高リスク(皮膚) ※性の定期検診(プレミアム)と同じ検査項目になります。 | 72,000円 |
性病の検査セットをおすすめする理由

当院をはじめ、性病検査を行っているクリニックでは「検査セット」での検査を推奨しています。
なぜ複数の病原体を検査できる検査セットを推奨しているのか。
理由は、性病は重複感染(混合感染)を起こすことがあるためです。
性病に感染している人は、他の性病にも同時に感染しているケースもあります。
一つの性病は完治したけど、調べてみたら他の性病にも感染していた、となれば通院や治療が長引き貴重な時間をロスしてしまうことになりかねません。
性病の検査を受けるなら、一度の検査で複数の菌やウイルスが判定できる検査セットでの検査がおすすめです。
性の定期検診とブライダルチェック
現在、性病の原因となる性的接触がないという方にも、
自身の健康やパートナーとの将来のために「性の定期健診」や「ブライダルチェック」を推奨しています。
それぞれ、どんな方にメリットがあるのか解説します。
性の定期検診とは
性の定期検診とは、その名の通り定期的に性病検査を実施することです。
性病は無症状の場合も多いために、感染しても無自覚の人も多くいます。
自分自身を守るためにも、感染を広げないためにも、性病を定期的にチェックするのはとても大切なことです。
特に、風俗関係の仕事をしている方や風俗を利用する方、セックスパートナーが複数いる方など、感染機会が多い方に推奨しています。
男性のブライダルチェックとは
ブライダルチェックとは、結婚前や妊活の前に性病や生殖関係の病気がないか調べること。
晩婚化に伴い妊娠・出産年齢が上がっている昨今、結婚前に妊娠が可能かどうか調べるのは重要だと考える方が多くいます。
35歳をすぎると精子の数や運動率が低下する傾向がありますが、35歳といえば男性にとってはまだまだ結婚・妊活のピーク時期。
結婚前に男性不妊の可能性はないか確認したいという男性は現在増えてきています。
性病に感染したことのある方は、男性不妊の原因である無精子症や精子無力症になりやすい傾向があります。
結婚前に性病の有無について調べることは、将来の妊娠に深く関係する重要なことなのです。
また、性病検査・*風疹検査・精液検査を同時に行うことができるブライダルチェックは、結婚前だけでなく「性交しているのに子供がなかなかできない」という夫婦にもおすすめです。
*妊娠中に妊婦が風疹にかかると子に後遺症が生じるため、妊娠前に夫婦ともに風疹抗体を持っているか風疹検査で調べることが大切です。
神田西口クリニックの性病検査
神田西口クリニックは男性のためのクリニック。
受付スタッフ、看護師、医師すべて男性です。
性病については、さまざまな情報が溢れているからこそ不安も大きいと思います。
なのでまずは些細なお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
一人ひとりの症状に寄り添い、オーダーメイドの処置処方を行います。
男性の性病検査についてのよくある質問
性病検査に痛みはありますか?
性病検査は、尿検査、うがい検査、皮膚(ぬぐい)検査で行い、これらには痛みはありません。
HIVや梅毒、B・C型肝炎などは血液検査が行われますが、一般的な採血と方法は一緒のため、さほど強い痛みではありません。
性病を治さないとどうなりますか?
性病を治療しないでいると、精巣上体炎や前立腺炎などを引き起こす可能性があります。
また、性病の中には全身に感染が広がり数年後に臓器に異常をきたすものや、免疫不全になるものもあり、最悪命に関わることもあります。
過去の性行為が原因で性病に感染することもありますか?
性病は、過去の性行為が原因のものもあります。
他にも、性病の中には治癒しても体内に病原体が潜伏し続け、免疫が弱まったタイミングで症状が現れるものもあります。
行為から何日後に検査が可能になりますか?
基本的にほとんどの性病は行為から24時間経過していれば検査が可能です。
しかし梅毒等、行為から4週間経過後に検査可能となる性病もあります。
積極的に性病検査を受けましょう
今回は、男性の性病検査の方法について解説しました。
性病検査はどうしてもハードルが高いと思われていますが、
一方で性病は、いつどこで誰が感染してもおかしくない、とても身近なものです。
無症状のため無自覚の感染者がいたり、放置すれば重症化や不妊に繋がることもあるため、性病検査は性行為をする誰しもが定期的に受けるべき検査と言えます。
当院をはじめ性病専門のクリニックでは、検査セットも提供しています。
ご結婚前や妊活前、定期健診に、ぜひ検査セットをご活用ください。
監修者

神田西口クリニック院長 鈴木 鑑
2003年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
2014年都内某クリニックにて性感染症診療に従事。
10万人以上の性感染症患者さんの悩みに寄り添い解決してきた実績がある。
2023年神田西口クリニックの院長に就任。
所属学会・資格
- 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
- テストステロン治療認定医
- 日本性感染症学会
- 日本感染症学会
- 日本化学療法学会
- 日本メンズヘルス医学会