GLP-1メディカルダイエット
GLP-1とは
GLP-1(Glucagon-Like Peptide-1)とは、小腸から分泌されるホルモンの1つです。食べ物が小腸に流れてきたことを感知して、「食べ物が腸にやってきたのでこれから血糖値が上がるからインスリンを分泌して血糖値を下げましょう」というサインを膵臓やその他の臓器に伝える役割を果たしています。日本では、2型糖尿病の治療薬として広く使用されています。
そして、このGLP-1は膵臓に作用して血糖のコントロールをする以外にも下記のような作用があります。
- 胃腸の動きを抑制し、満腹感を持続
- 食欲中枢(脳)に働きかけて、食欲抑制
- 脂肪分解を促進し、熱産生を増やす
- 太りにくい体質に改善
- 糖尿病予防、心機能亢進
このことからGLP-1は「痩せるホルモン」とも言われており、きつい運動や無理な食事制限をしなくてもダイエットできるようになります。アメリカ・ヨーロッパではすでに上記の効果と安全性が認められ、GLP-1が肥満症の治療薬として承認されています。
投与方法
当院で使用するGLP-1は、週1回の注射製剤と2021年2月に新発売となった毎日内服する錠剤です。
注射製剤(オゼンピック皮下注)
ご自宅にてご自身でお腹、二の腕、太ももなどに注射をします。毎回同じ部位に注射するとその部分が硬くなったりすることがあるため、少し位置をずらして注射することをオススメします。
また、他のGLP-1注射剤は針を付け替える作業が必要になりますが、当院で使用するGLP-1注射は1回使い切りになりますので針の付け替え操作は不要です。
使用前のものは冷蔵庫(2~8℃)で保管し、使用するときは冷蔵庫から取り出して15分くらいして常温になってから注射してください。
内服錠剤(リベルサス錠)
ご自身で毎日内服する錠剤です。飲み方は、起床時(6時間以上の絶飲食)にコップ1杯(少な目)で飲み込みます。そのあと最低30分(出来れば2時間)は飲食禁止が必要となります。そうなんです、少し面倒なんです。しかし、効果は上記の注射製剤と変わらず、注射による痛みがないというところが利点となります。
副作用
- 悪心、嘔吐、下痢、便秘(胃腸蠕動運動の遅延による)
→これらの副作用は2~3週間かけて、徐々に改善されていくことも多いです。 - 脱力感、倦怠感、冷汗、動悸、ふるえ、めまい、ふらつき、頭痛、生あくび(低血糖症状)
→少量で良いので1日3回(朝昼夕)は何か口にしてください。またラムネなどブドウ糖を携帯しておくと安心です。ただ、他の糖尿病治療薬を併用していない限りこの副作用が発生する頻度は低いです。
※いずれも症状強い場合には、当院まで早めにご相談ください。
使用できない方
- 膵炎などの膵臓疾患の既往、甲状腺疾患の既往、重度の胃腸障害(胃潰瘍、炎症性腸疾患など)のある方
- 低血糖を起こす可能性が高い以下の状態の方
ⅰ)脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
ⅱ)栄養不良状態、飢餓状態、食事摂取量の不足
ⅲ)激しい筋肉運動
ⅳ)過度のアルコール摂取者 - 糖尿病の方
- 妊娠中または2か月以内に妊娠する予定の方、未成年の方、60歳以上の方
当院でのGLP-1メディカルダイエット治療の流れ
①WEB問診の「GLP-1ダイエット」の項目に回答する
WEB問診はこちらから
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②健康診断の結果などあれば持参してご来院ください。
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③GLP-1注射をすることに問題がないかどうかの問診を行います。その際、健康診断結果などない場合には、採血が必要になることもございます(追加料金あり)。同意書にサインをしていただきます。
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④GLP-1自己注射のやり方をお伝えいたします。場合によってはその場で実際に注射することも可能です。
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⑤お会計になります。院内で注射剤の方をお渡しいたします。
※追加の注射を購入される場合は、前回使用した分の注射を持参してください。お忘れの場合は、追加の購入ができません。針がついているものは、一般ごみではなく医療廃棄物として処理する必要があるためです。
料金
注射製剤
- オゼンピック皮下注0.25㎎ 5000円/本
- オゼンピック皮下注0.5㎎ 12000円/本
- オゼンピック皮下注1.0㎎ 19000円/本
- トルリシティ皮下注0.75㎎ 7500円/本
内服錠剤
- リベルサス錠3㎎ 4000円/10錠
- リベルサス錠7㎎ 7000円/10錠
- リベルサス錠14㎎ 12000円/10錠
※自分で注射するのが怖い方は、当院で医療スタッフが追加料金800円(税込)で注射をします。
※採血が必要な場合、血液検査料金として 5000円(結果は3日後)がかかります。
上記の金額に診察代、消費税は含まれております。
GLP-1注射に抵抗を示す方の多くは、糖尿病治療(特にインスリン注射)と混同してしまっていることが多いと考えられます。GLP-1は、間接的にインスリンの分泌を助ける作用はありますがインスリンではありません。
今後、GLP-1は糖尿病治療薬として使用される以上に、メディカルダイエットの治療薬として世界中でさらに使用されるようになるだろうと予想されています。
太っていて良いことはあまりないと思います。そして、多くの方々にとってダイエットは永遠の課題として存在はしているものの、なかなか解決できていないのではないでしょうか。今まで色々なダイエットに失敗してきた方や、無理しないやり方でダイエットに取り組みたい方など、ぜひこのGLP-1メディカルダイエットを試してみるのはいかがでしょうか。お気軽に相談してください。