性病(性感染症)は性行為をする誰しもが感染する可能性がある、決して他人事ではない病気です。
しかし、感染を疑う症状がある際に何科を受診すれば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、性病についての相談は何科が良いのか、性病の検査や治療を受ける時の病院の選び方などについて医師が解説します。
- 性病に感染しているかもしれない。
- 検査を受けたいけど何科を受診すれば良いかわからない。
という方はぜひ参考にしてください。
目次
性病の治療・検査はどの病院で受けられる?
性病の治療や検査は、男女で受診する科が少々異なります。
男性の場合は、性感染症内科、泌尿器科、メンズクリニックを受診しましょう。
また一部の婦人科でも男性の性病を診てくれるところもあります。
それぞれの診療科についての特徴を解説します。
性感染症内科
性感染症内科(性病科)とは、性病を専門に扱う診療科です。
性感染症内科は、症状が出ている部位がどこであったとしても診察できるのが特徴です。
性器周囲に症状が出ている場合でも、咽頭(のど)に感染して症状が出ている場合でも、発熱などの全身の症状でも、原因が性病であれば検査や治療ができます。
性感染症内科単独で開院している病院は少なく、泌尿器科や婦人科と共に併設されている場合が多いです。
泌尿器科
泌尿器科では、泌尿器に症状が出ている場合に性病の治療が可能です。
泌尿器科というと男性しか受診できないと思っていらっしゃる方もいますが、尿道、膀胱に症状が出ているのなら女性も治療できます。
泌尿器科は、泌尿器関係の病気の検査・治療を幅広く行っている診療科であり、性病に特化しているクリニックは少数です。
咽頭の症状や発熱などの全身症状や、女性の性器の症状の診察は、本来泌尿器科の専門外に当たるため、他院への受診をすすめられることもあります。
メンズクリニックや婦人科
近頃増えているメンズクリニックは、その名の通り男性専門のクリニックです。
男性の性病をはじめとした疾患の治療や、男性の美容医療などに特化しています。
性感染症内科と同様、性病による症状がどこに出ていても診察が可能です。
メンズクリニックの医師やスタッフは基本的には男性で、女性スタッフに症状について聞かれることはありません。
また女性の診察もほとんどしていないため、待合室で女性と一緒になることもなく、女性の目を気にしなくて良いのが大きなメリットです。
また、一部の婦人科で男性性病を診察できるところもあります。
(男性診察不可能な婦人科も多いため、必ずホームページなどで確認してから受診しましょう。)
婦人科のスタッフは医師以外は全員女性である場合が多く、受診する患者側もほとんど全員女性です。
もし男性の診察が可能でも、婦人科に男性が受診するのは少々勇気が要るかもしれません。
性病に特化した病院を受診するメリット
性器に症状が出ていれば泌尿器科に、喉に症状が出ていれば耳鼻咽喉科に、発熱などの全身症状があれば内科にと、性病であっても一般的な診療科で治療を受けることはできます。
しかし性病の治療を受けるなら、性病に特化した病院の方がおすすめです。
一般診療科よりも性病専門の病院がおすすめな4つの理由を解説します。
専門知識があるから安心
性病には症状が似ており、判別が難しいものがたくさんあります。
また、最近治療や検査が可能になった認知度が低い性病もあり、性病に関する知識・経験が豊富な医師でないと正確な診断や治療を行うことが難しいのが現状です。
性病と一括りにしても治療方法がそれぞれ異なるため、判断を誤れば症状が悪化してしまうこともあります。
性病についての専門的な知識がある病院の方が、適切な検査・治療を受けられることが多く安心なのです。
プライバシーを守るための配慮がされている
性病のために受診するということが、大きなハードルになっている方は多いようです。
- 「病院で万が一にも知り合いにばったり会ったらどうしよう」
- 「異性のスタッフに症状についてあれこれ聞かれたくない」
- 「性病にかかっていると他人に出来るだけ知られたくない」
そんな不安や心配から、受診を躊躇してしまう方もいます。
一般的な病院ではフルネームで呼ばれ、他の患者さんがいる受付や待合室でスタッフから詳しく症状を聞かれるケースも。
しかし、性病専門の病院では患者さんの思いを尊重し、以下のような対策をしてプライバシーを守ることを重視している医療機関が多いです。
- 患者さん同士が出来るだけ顔を合わせないように待合室が工夫されている
- 名前での呼び出しは避け番号札での呼び出しをする
- 問診はスタッフが行うのではなく、あらかじめWEB問診を受けてもらう
- 薬は院内処方でお渡しする など
人に知られたくないという思いが強い方は特に、性病専門の病院がおすすめです。
違う部位も同時に受診可能
一般の診療科は、基本的にそれぞれ専門分野を持っています。
眼の症状は眼科、耳・はな・のどの症状は耳鼻科などというように、症状が出ている部分によって診療科を使いわけるのが一般的です。
性器の症状については、泌尿器科が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
実際、泌尿器科には性病で受診する方が多くいます。
しかし性病は、必ずしも性器だけに症状が出るとは限りません。
喉に感染する場合もありますし、発熱などの全身症状が生じる場合もあります。
泌尿器科では喉の診察は行えないところもあり、性器と喉の両方に症状が出ている時には、別で病院を受診する必要がある可能性も。
病院の受診は予約が必要だったり時間がかかるからこそ、複数の病院に受診するのは負担になりかねません。
その点、性病専門の病院であれば、性病によって引き起こされる様々な部位の症状の診察が可能なため、複数の病院に受診する手間がかからず安心です。
オンライン診療を行なっているケースも
近年、新型コロナウイルスの拡大に伴い、直接病院に行かなくても治療が受けられるオンライン診療が法整備され急速に広がりました。
オンライン診療は、全国どこにいても診察が可能です。
近場に病院がない人や、多忙で直接病院に行くのが難しい人などでも気軽に受診でき、病院で知り合いと鉢合わせるかもといった不安も解消できるため、性病治療においても人気の受診方法といえます。
ただ症状があり、かつ初診の場合には、しっかり患部を診察してもらえる対面診察がおすすめ。
採血などの一部の検査や、点滴治療は、オンライン診療では行えないためです。
一方、性病治癒の確認のための検査や診察は、オンライン診療がおすすめです。
誰にも会うことなく受診できることを、メリットに感じる人は多いのではないでしょうか。
性病には保険診療と自費診療がある
性病の検査や治療は保険診療を行なっている病院と、自費診療のみの病院があります。
保険診療とは、健康保険が適用される診療のこと。
3割(75歳以上は1割)の自己負担で受けられます。
対して自費診療(自由診療)は健康保険が適用されません。
治療費は自己負担になります。
性病治療は、自費診療で行う病院が多いです。
性病専門のクリニックに自費診療が多い理由
性病専門クリニックに自費診療が多いのは下記の理由が挙げられます。
自費診療は治療費は自己負担ですが、保険診療にはないメリットがあるのです。
症状がなくても検査が可能
保険診療は基本的に症状がある場合のみに適用になります。
自費診療では症状がなくても検査可能です。
「感染したかもしれないから症状は出てないけど検査したい」というような方は、自費診療で検査を受けます。
保険適用外の性病も検査・治療できる
マイコプラズマ・ウレアプラズマのような保険適用外の性病も、自費診療であれば検査・治療が可能です。
治療の選択肢が増える
自費診療では、健康保険がまだ適用されていないような最先端の検査や治療が制約なく受けられます。
匿名で受診できる
保険診療では必ず実名と保険証の確認が必要となります。
対して自費診療では保険証の提示は不要で、中には匿名で受診可能な病院もあります。
性病の病院選びで注意したい点
性病の病院選びで事前に確認しておくべきことは、下記の通りです。
- 性病専門の病院か、または性病に詳しい医師か
- プライバシーが守られる配慮がされているか
- 病院の評判・口コミは良いか
- 病院へのアクセスはしやすいか、またはオンライン診療をやっているか
最近では、どの病院もホームページを開設していることが多いため、受診前に上記の項目について確認しましょう。
また、口コミなどで評判を見てみるのも大切です。
神田西口クリニックは男性専門のクリニック
神田西口クリニックは男性のためのクリニック。
受付スタッフ、看護師、医師すべて男性です。
性病については、さまざまな情報が溢れているからこそ不安も大きいと思います。
なのでまずは些細なお悩みも、ぜひお気軽にご相談ください。
一人ひとりの症状に寄り添い、オーダーメイドの処置処方を行います。
性病の病院選びについてのよくある質問
性病の検査が不安です。痛みはありますか?
性病の検査は基本的に、尿検査で行うことがほとんどです。かつては尿道に綿棒を入れる検査をしていた時代もありましたが、20年以上前のことなので今はそういった方法では検査しません。
尿検査以外に、採血やうがいを行う場合もあります。
病院を受診したことを周りに知られたくありません。
家族や会社の人に受診したことを知られたくない場合は、自費診療で検査や治療を受けるのがおすすめです。
また、プライバシーに配慮されたクリニックを選びましょう。
知り合いとばったり会うことが不安な方は、オンライン診療を検討してみても良いでしょう。
症状が出ていなくても受診できますか?
症状が出ていない場合は保険診療では検査・治療が行えません。
自費診療が可能な病院に受診しましょう。
当院は自費診療のみの対応のため、症状が出ていない方の検査も可能です。
パートナーが性病に感染しました。症状はないけど受診は必要?
性病ではピンポン感染(パートナー同士で感染させたりさせられたりすること)を予防するために、パートナーと一緒に治療を受けるのが大切です。
症状はなくても一緒のタイミングで受診し、検査や治療を受けましょう。
同性の医師に相談や診察をしてほしいのですが可能ですか?
泌尿器科の医師は男性が多いですが、絶対男性とも限りません。
受診前にあらかじめ、医師が男性かどうかをホームページや電話などで確認するのが確実です。
または、当院のようなメンズクリニックを選択するのも良いでしょう。
メンズクリニックの医師やスタッフは全員男性であることが多いです。
当院も医師・スタッフは全て男性のため、安心して受診いただけます。
性病は性感染症に特化した病院の受診がおすすめ
性病の検査や治療が受けられる病院についてご紹介しました。
性病は、人に知られる不安などから受診を躊躇する人が多くいます。
しかし無治療で居ると、症状の悪化や、パートナーに感染させてしまうリスクも。
ぜひ早期に正しい治療を受けましょう。
選ぶ病院次第では、人に知られることなく安心して性病の治療を受けることもできます。
些細なお悩みでも、抱え込まずぜひご相談ください。
監修者

神田西口クリニック院長 鈴木 鑑
2003年東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。
2014年都内某クリニックにて性感染症診療に従事。
10万人以上の性感染症患者さんの悩みに寄り添い解決してきた実績がある。
2023年神田西口クリニックの院長に就任。
所属学会・資格
- 日本泌尿器科学会認定 泌尿器科専門医
- テストステロン治療認定医
- 日本性感染症学会
- 日本感染症学会
- 日本化学療法学会
- 日本メンズヘルス医学会