当院では、下記の予防接種を行っております。
HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン
HPVワクチンというと、女性の子宮頚癌の予防を想起される方が多いと思われます。では、なぜ「男性専門のコンビニクリック」である当院でHPVワクチンを用意しているのか。それは、HPVは子宮頚癌だけではなく、肛門癌、陰茎癌、中咽頭癌などの悪性腫瘍、及び尖圭コンジローマや尋常性疣贅(イボ)など良性の病変の原因にもなっているからです。
国内のHPVワクチンには、2価(16型、18型)と4価(6型、11型、16型、18型)の2種類のワクチンがあります。16型や18型は悪性化(つまり癌化)しやすいタイプで、6型と11型は悪性化しにくいタイプです。6型や11型が悪性化しにくいといっても、尖圭コンジローマという性感染症の原因にはなります。また、悪性化しやすい16型や18型ですが、それ以外にも31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68型など悪性化しやすいタイプが存在します。ということは、国内にあるHPVワクチンには悪性化しやすいタイプは16型と18型だけを予防することになり、それ以外は予防出来ないことになります。実際に、子宮頚癌のデータですが、4価のワクチンでの子宮頚癌予防率は65%にとどまります。一方、海外では9価(6,11,16,18,31,33,45,52,58型)のワクチンがスタンダードになっており、これであれば子宮頚癌予防率は90%以上になるといわれております。そして、その効果を発揮するには3回(初回、2か月後、6か月後)接種する必要があります。
HPVワクチンの値段は下に記してあるように安くはありません。現時点では、輸入するしか入手方法がないため高額になります。しかし、2020年7月21日、製薬会社のMSDが厚生労働省から製造承認を獲得しました(商品名:シルガード9水性懸濁筋注シリンジ)。発売されても最初は定期接種(つまり公費負担)ではなく、自費で接種する形になるかと思われます。ただ、国内生産であれば海外からの配送料分が安くなって、もう少し安く接種できるようになるかもしれません(約束はできません)。
いずれにせよ、予防できるものは予防する(しかも癌を予防)に越したことはありませんし、大切なパートナーを守るためにもぜひ男性にも接種をおすすめします。
1回分:37,800円
3回セット:104,900円