性感染症
男性の梅毒とは?症状や感染経路から検査と治療法を医師が解説
現在、日本でも感染者数が急増している梅毒。
梅毒は、感染に気づかず発見が遅れると、日常生活が送れないほど症状が出てしまう可能性がある疾患です。
- 性行為のあと、陰部や口の中にしこりができているが痛くない。
- 手足や体の発疹がなかなか治らない。
- 梅毒が流行っているというメディアの情報をみて心配。
現在、このような不安を抱えている方もおられるかもしれません。
しかし早期発見・治療をすれば、完治させることができます。
本記事では梅毒の症状から経過、治療方法などを解説します。
梅毒について正しく理解し、早めの対処をしましょう。
梅毒とは
梅毒は、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)という病原菌が、粘膜や小さな傷口から体内に侵入することで発症する性感染症です。
日本の感染状況
梅毒は昔、治療法が確立されておらず、多くの人が命を落とした感染症です。
日本では江戸時代に大流行しましたが、第二次世界大戦後、ペニシリン系抗生物質の普及により、感染者は減少しました。
しかし、2010年ごろから再び感染者が増えはじめ、2025年の国内感染者数は13,000人を超えています。
年齢別にみると、男性では20〜50代、女性では20〜30代での感染が増加。
メディアでもここ最近の急増に関する内容が流れていたため、ご存じの方も多いことと思います。
梅毒の感染経路
梅毒の病原菌である、トレポネーマ・パリダムは、低酸素状態でしか長く生きられないため、感染経路は限られています。
トレポネーマ・パリダムは、感染者の粘膜や血液、滲出液などの体液に含まれており、非感染者の粘膜や傷口と接触することで感染します。
感染者との性行為やオーラルセックスなどの擬似性行為、キスが主な感染経路となります。
また、梅毒は性感染症でもありますが、梅毒にかかった女性が妊娠すると、胎盤を通じてお腹の赤ちゃんにも感染してしまいます。
流産や早産の原因になるほか、低出生体重児や骨軟骨病変など、生後の赤ちゃんに異常が出てきてしまうことも。
これを先天梅毒といいます。
梅毒の症状
梅毒の症状には段階があります。
症状の現れ方には特徴があり、第1期から第4期に分かれています。
第1〜2期までを「早期顕性梅毒」、第3〜4期を「晩期顕性梅毒」といいます。
梅毒は、感染すると全身にさまざまな症状が現れるのが特徴です。
特に初期では症状が軽度だったり、自然に消失したりすることから、感染したことに気づかない場合もあります。
よって、少しでも気になる症状がある場合は、早期に受診し検査を受けることが重要になります。
梅毒の症状を段階に分けて解説していきましょう。
第1期
第1期は感染後3週間から3ヶ月までの状態をいいます。
感染部位に痛みのないしこりや潰瘍ができます。リンパ節が腫れることもあります。
第1期にできるしこりの種類は以下になります。
初期硬結
亀頭部や陰茎、口腔内などに1㎝前後のしこりができます。硬さは軟骨程度で、痛みやかゆみはありません。
硬性下疳(げかん)
初期硬結の周囲の浸潤が強くなって硬く盛り上がり、中心部に潰瘍を形成します。痛みやかゆみはありません。
潰瘍からの滲出液にも病原菌が含まれているので、他人に感染させないように注意しましょう。
初期硬結や硬性下疳は、陰部だけでなく、口唇や手指などにもできることがあります。
その場合、陰部外初期硬結・陰部外下疳と呼ばれます。
無痛性横痃(おうげん)
感染部位周辺のリンパ節(脚の付け根、首など)が硬く腫脹します。痛みはありません。
これらのしこりは、治療をしなくても自然に消失するものです。
しかし、ここで注意しておきたいのが、症状がなくなっても血液の中には病原菌が潜んでおり、梅毒が治ったわけではないということです。
治療を行わなければ、病原菌は全身に広がり、第2期へと進行していきます。
また、この時期に性行為などをすると、他の人に感染させてしまう可能性が高くなります。
第2期
第2期は、感染後3ヶ月から3年までの状態をいいます。
治療をしないまま放置すると、病原菌は血液を介して全身に広がります。
そのため、全身に赤い発疹をはじめとした皮膚の異常がみられるのが特徴です。
皮膚症状がみられることで、先に皮膚科を受診するも、なかなか症状が改善しないことで病気が発見されることもあります。
第2期における皮膚症状の現れ方はさまざまなものがあります。以下で解説します。
梅毒性バラ疹
体幹を中心に、顔面・四肢に1〜3㎝ほどの、ピンク色の発疹ができます。
かゆみはありません。梅毒性バラ疹は、第2期で最初に出てくる皮膚症状です。
丘疹性梅毒
体幹や顔面、四肢に、5〜10㎜ほどのぶつぶつした盛り上がりのある発疹ができます。
梅毒性乾癬
手のひらや足の裏に、1㎝前後の円形で赤黒い斑ができます。その部分の皮がむけることもあります。
膿疱性梅毒
白〜黄色の内容物がある、ぶつぶつした発疹が体幹や顔面、四肢にできます。
扁平コンジローマ
ピンク色~灰白色で、表面がザラザラしている隆起性腫瘤です。
肛門や陰部周囲によくできます。名前が似ていますが、”尖圭コンジローマ”とは異なるものです。
扁平コンジローマの中には病原菌が大量に含まれています。
梅毒性脱毛
頭部全体の脱毛、または円形の脱毛がまだらに見られるのが特徴です。
「虫食い状の脱毛」と呼ばれることもあります。
梅毒性アンギーナ
扁桃や軟口蓋に、びらんや潰瘍を伴う発赤・腫脹がみられます。
第2期の発疹をはじめとした皮膚症状も、治療しなくても自然と消失することがあります。
しかし、これらも治療をせずに放置していると、病原菌は体中に残ったまま、少しずつ病状が進行していきます。
第3期
第3期は感染後3年以降の状態です。
“ゴム種”と呼ばれる、皮膚、骨、筋肉、臓器(肝臓や腎臓など)にゴムのような弾力のある1㎝以上の大きさの腫瘤ができるのが特徴です。
第4期
第4期は、感染から10年以上経過した状態です。梅毒の末期といえます。
多くの臓器に腫瘍ができ、脳や脊髄などの神経系にまで病変が進行。
手足の麻痺、歩行障害・感覚障害、思考力の低下や認知症を起こします(神経梅毒)。
また、梅毒は心臓や血管系にまで症状を引き起こします。
- 大動脈瘤や大動脈炎
- 冠動脈の狭窄
これら心血管系の病変は、動脈瘤破裂や心筋梗塞をはじめとした冠動脈疾患、心不全の原因となり、死に至る可能性が高くなります。
現在の医療では、多くの方が第2期までに梅毒と診断がつき、早期に治療を開始しています。
第3期まで進行することはまれです。
しかし、第1期、第2期で症状が軽い場合は、感染に気づかず年数が経過してしまうことも考えられます。
第3期、第4期になると、骨や筋肉、臓器にまで病変が進行し、場合によっては臓器を損傷してしまうため、治療が困難な状態となってしまいます。
気になる症状や、思い当たる行為があった場合は、早めに受診することが重要です。
梅毒の潜伏期間
梅毒は、感染後3週間から6週間の潜伏期間のあと、時間の経過とともにさまざまな症状を呈します。
梅毒の検査
梅毒は血液検査で診断可能です。
感染後の早い時期では、感染していても陽性反応が出ないことがあるため、感染から十分な期間をおいて確認します。
おおむね感染機会から4週間経過していれば検査可能です。
無症状の場合では、手術前検査などで感染症採血をした際に感染が確認されることもあります。
梅毒の抗体検査にはTP(トレポネーマ抗体)法とRPR法の2種類あります。
- TP:過去に梅毒にかかったことがあるか
- RPR:現在の梅毒の活動性
を調べます。
上記の検査結果と医師の診察のうえで、梅毒の診断がなされます。
梅毒の治療
梅毒の治療方法は、以前は内服治療しかなく、内服期間は約4~8週間。
その後も陽性が確認される場合は、さらに内服治療が延長されます。
2022年1月にようやく”ステルイズ”というペニシリン系製剤の注射治療が発売されました。
この注射は、世界ではスタンダードな治療方法ですが、日本では最近まで承認されていませんでした。
しかし、2010年以降の梅毒の流行に伴い、2021年に厚生労働省から承認を受けた治療方法になります。
筋肉注射で、施行回数も基本的には1回で済みます。患者さんへの負担が少なく済むことで、期待されている治療方法です。
内服、注射、いずれも外来通院での治療が可能です。
梅毒の予防方法
梅毒の予防方法は、感染者の粘膜や体液などが接触しないようにすることです。
性行為の際は必ずコンドームを使用しましょう。
しかし、コンドームを覆わない部分の皮膚からも感染する可能性があります。
コンドームを使用したからといって、感染が100%防げるというわけではありません。
陰部や口腔にしこりができたり、皮膚に気になる症状があったりする場合は、性行為は控え、先に医療機関を受診するようにしましょう。
梅毒の検査・治療の料金
【検査】
保険診療 約1,000円
自費診療
通常検査 4,000円
迅速検査 4,000円
【治療】
保険診療 約2,000円~3,000円
自費診療
抗生物質内服 9,000円
筋肉注射 20,000円
梅毒の早期発見・治療で命を守りましょう
ここまで梅毒の症状や感染経路、治療法などについて解説してきました。
梅毒は性行為やオーラルセックスなど、粘膜や皮膚が接触し合うことで感染します。
症状は第1期から第4期まであり、数ヶ月から数年と長い経過をたどり進行していきます。
治療しないまま放置すると、徐々に病変が進行し、最終的には死に至る恐ろしい性感染症です。
しかし、第1期、第2期の段階で、適切な治療を受けることで治癒が可能です。
梅毒は決して恥ずかしい病気ではありません。
記事の監修者
板東大晃 KANDA NISHIGUCHI CLINIC 院長
本抗加齢医学会認定 抗加齢医学専門医 / 日本医師会 認定産業医 / テストステロン治療認定医 / 高濃度ビタミンC点滴療法認定医
キレーション療法認定医 / 日本美容内科学会 / 日本美容皮膚科学会 / 日本酸化療法学会 / 厚生労働省指定オンライン診療研修修了 /
厚生労働省指定緊急避妊薬の処方にかかるオンライン診療研修修了 / 点滴療法研究会 / 再生医療抗加齢学会 / 日本エイズ学会 / 日本再生医療学会 /
日本オーソモレキュラー医学会 / 日本メンズヘルス医学会 / 日本性感染症学会 / 日本性機能学会
特許庁実用新案登録
第3243729号(令和5年9月6日)「オーダーメイドマッスルビルディング™」
FAQ
よくあるご質問
- 支払いにキャッシュレスは使えますか?
- 各種クレジットカード、交通系などでのお支払い可能です。受付の端末でキャッシュレス支払いができますが、予約の際に使用するデジスマという予約アプリの中にクレジットカードを登録する機能(デジスマ払い)があり、それを利用すれば診察終了と同時に決済が完了となります。※PayPayなどのQR決済は出来ません。
- 保険診療もやってますか?
- 保険診療で対応できるものは保険診療で検査治療を行います。ただし、検査の順番や処方できる薬の量、一度に出来る検査の種類など制約があります。
- 予約は必須ですか?
- 予約は必須ではございません。しかし、予約して事前WEB問診に回答していただくと、来院したあとにスムーズにご案内できます。
- 手書きの領収書は発行してくれますか?
- もちろん発行致します。受付でお申し付け下さい。
information
クリニック情報
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- KANDA NISHIGUCHI CLINIC
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〒101-0047
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