筋肉増強には、体内に男性ホルモンが十分にあることが必要になります。
ところが、この男性ホルモンは20歳代をピークとして、30歳以降は年に1~2%程度ずつ少なくなっていきます。
そうなると筋肉も減少していき、逆に脂肪が付きやすくなってきて中年太りまっしぐらの状況になってしまいます。また、意識的に筋トレをしてもなかなか20代のころのようには筋肉はつきません。
さらには、男性ホルモンの減少により、「やる気の欠如」「イライラ」「睡眠障害」「性欲減退」「メタボリックシンドローム(生活習慣病)」などの症状がみられる男性更年期障害(LOH症候群)にもなりかねません。
目次
当院での男性ホルモン補充
当院では、筋肉増強を主な目的として男性ホルモンの補充を行っております。男性ホルモンの補充には注射と塗り薬があります。
注射は主にお尻の筋肉に注射をし、一気に男性ホルモン上昇させて筋肉増強に働きかけます。
当院で採用している男性ホルモンは3種類です。
- エナルモンデポー(成分名:テストステロンエナント酸エステル)
- サスタノン(成分名:プロピオン酸テストステロン、フェニルプロピオン酸テストステロン、イソカプロン酸テストステロン、デカン酸テストステロンの4種混合)
- ネビド(成分名:ウンデカン酸テストステロン)
エナルモンデポーは日本のあすか製薬の製品で日本承認薬であり、男子性腺機能不全、造精機能障害による男性不妊、骨髄繊維症、腎性貧血に対して適用されている注射剤です。
サスタノンはインドのZydus Fortiza (Zydus Healthcare Ltd.)社の製品で日本未承認薬であり、海外医薬品専門の卸業者から入手しております。
ネビドはドイツのBayer社の製品で日本未承認薬であり、海外医薬品専門の卸業者から入手しております。
サスタノンは、海外では低テストステロン症に対して適用されている注射剤です。
ネビドは、海外では男性更年期障害や男性性腺機能不全に対して適用されている注射剤です。
3種類とも適用外使用にはなりますが、筋肉増強には男性ホルモンが必要なので、筋肉増強目的でこれらを使用していきます。
一方、塗り薬は陰嚢に毎日ご自身で塗布し徐々に男性ホルモンを上げていくので、どちらかというとLOH症候群(男性更年期障害)の治療に使われますが、体内の男性ホルモンは増えていきますので筋肉増強にもつながります。
当院ではアンドロフォルテ5%クリームというものを使用しており、これはオーストラリアのLawley社の製品になります。
日本では未承認のため、海外医薬品専門の卸業者から入手しております。
男性ホルモンの成分には色々な名前がありますが、いずれもテストステロンであることに変わりはありません。
付加している構造に違いがあり、この違いによって効果の持続時間が変わってくるということです。
副作用は下記のようなものがあり、注射は注射部位の痛み、外用薬は塗布部分のかぶれなどもあります。
これらに関しては、定期的に問診や採血にてチェックしていきますので、ご安心下さい。
副作用
- 陰茎肥大
- 持続勃起症
- 性欲亢進
- 睡眠時無呼吸症候群
- 精子の質の低下(男性不妊の原因になることもあります)
- 多幸感
- 肝機能障害
- 多血症
- にきび増加
- 髭などの増毛、頭皮の脱毛
- 女性化乳房
※いずれも症状が気になる場合には、当院までご相談ください。
使用できない方
- 前立腺疾患の既往のある方(特に前立腺がんの方は男性ホルモン補充はできません)
- 心疾患、腎疾患の既往のある方
- がんの骨転移がある方
- スポーツ選手(プロ、アマ問わず) ※ドーピングの対象になります
- 女性の方、21歳未満の方、70歳以上の方
当院での筋肉増強男性ホルモン補充の流れ
①WEB問診の一番下の「その他」の項目に回答する
(→[相談したい内容]のところに、筋肉増強と記載してください)
WEB問診はこちらから
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②健康診断or人間ドックの結果があれば持参してご来院ください。
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③男性ホルモン補充をすることに問題がないかどうかの問診を行います。問題なければ、同意書にサインをしていただきます。
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④男性ホルモンを筋肉に注射いたします。希望により、注射ではなく外用薬を処方することもあります。
⇓
⑤お会計になります。外用薬希望の方は、院内でお薬をお渡しいたします。
⇓
⑥1~4週間ごとに再診していただき、追加の筋肉注射や副作用チェック採血を行います。外用薬の場合は1本でおよそ2~3か月継続できるので、外用薬がなくなり次第再診していただき、副作用チェック採血を行います。
その他注意点
- 初めての方は低用量からのお試しをオススメしておりますが、相談によっては高用量のものから開始することも可能です。
- 外部から男性ホルモンを補充することで精巣の機能が落ちる傾向があります。そうなると精子が作られにくくなったり、また本来精巣から分泌されていた男性ホルモンが分泌されなくなることがあります。
そして、それらは男性不妊の原因になり、また男性ホルモン補充を中止することで体内の男性ホルモンが急激に下がりうつ症状などが出る原因となります。ですので、男性ホルモン補充を中止したい場合には、事前に必ず医師に相談してください。
また継続して男性ホルモンを補充していく場合でも、定期的に精巣を保護する性腺刺激ホルモンの補充が必要になります。 - 初回の採血や定期的な副作用チェックの採血は、安全に男性ホルモンを注射するにあたり必須となりますのでご了承ください。
料金
- テストステロンエナント酸エステル
- 125㎎ 15,000円/回
- 250㎎ 22,500円/回
- 500㎎ 30,000円/回
- テストステロン4種混合
- 750㎎ 40,000円/回
- 1000㎎ 47,500円/回
- ウンデカン酸テストステロン
- 1000㎎ 55,000円/回
- hCG(性腺刺激ホルモン)
- 5000単位 7,500円/回
- アンドロフォルテクリーム
- 5%50g 28,000円/本
- 5%50g 28,000円/本
血液検査料
0円(上記料金に含まれます)
ただし、当院で定期的に男性ホルモン・タンパク同化ホルモン補充をされない場合は10,000円となります。
また、最初の1回だけ男性ホルモン・タンパク同化ホルモン補充をして、それ以降、当院で定期的に補充をされない場合は、3回目から10,000円となります。
例えば、「初回にエナルモン125㎎を注射+採血、2週間後に2回目の採血、その次の採血から料金発生」といったイメージです。
「当院で定期的に男性ホルモン・タンパク同化ホルモン補充をされない場合」とは、個人輸入で自己注射している方などを想定しております。
上記料金には診察代、消費税が含まれております。