院長ブログ
シアリスと筋肉増強の関係を医師が解説|安全性・作用・注意点まで徹底ガイド

Table of Contents
シアリスと筋肉増強の関係性
シアリスとは何か
シアリス(一般名:タダラフィル)は、ED(勃起不全)治療薬として開発・承認されている医薬品です。主成分タダラフィルは血管拡張作用を持ち、体内のPDE5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素を阻害します。その結果、一酸化窒素(NO)の働きが高まり、血流が改善します。この仕組みは勃起時の血流維持に必要不可欠であり、シアリスは長時間作用することで知られています。
一方、近年ではこの血流改善効果が筋肉増強や疲労回復との関連で注目されることがあります。しかし、筋肉増強目的での使用は日本国内では承認されていません。これは、臨床試験で筋肉増加効果が立証されていないためです。
シアリスが注目される背景
筋肉を鍛えるトレーニングの世界では、筋肉の「パンプアップ」や「血流量の増加」が重要視されます。血流が増えることで栄養や酸素が筋細胞に届きやすくなるため、理論的には筋肉の修復効率や代謝活動の向上に寄与する可能性があります。
そのため、一部の海外トレーナーやボディビルダーの間で、PDE5阻害薬の活用が議論されています。しかし、これらはあくまで仮説レベルであり、医療機関が推奨している方法ではありません。
血流改善が筋肉に与える影響
筋肉の発達には、酸素と栄養の供給、そして老廃物の除去が不可欠です。タダラフィルの作用によって血管が拡張されると、一時的に筋肉への血流が増加するため、理論的にはトレーニング中の酸素運搬が効率化する可能性があります。
また、血管内皮の柔軟性が改善されることにより、筋肉の酸化ストレスを軽減する作用が期待されています。ただし、筋肉量そのものを増やす直接的効果ではなく、代謝や循環を「整える」レベルにとどまる点に注意が必要です。
科学的研究の限界
現在の研究は限定的であり、シアリスが筋肉増強に寄与するという明確なエビデンスは存在しません。海外では、PDE5阻害薬が心不全患者や糖尿病患者の筋肉代謝改善に寄与する可能性を示した報告がありますが、健康な男性を対象とした研究はごく少数です。
そのため、筋肉増強目的でのシアリス使用は医療的にも倫理的にも推奨されていません。
医師の立場からの見解
医学的観点から言えば、シアリスの効果はあくまで血管拡張と血流改善に限定されます。これを筋肥大の手段として利用することは根拠に乏しく、むしろ副作用リスクの方が大きいと考えられます。
特に、心臓や腎臓への負担、脱水、血圧低下などが懸念されるため、医師の指導なしでの使用は避けるべきです。

シアリスの成分と筋肉への影響
タダラフィルの薬理作用
タダラフィルは、NO(⼀酸化窒素)の作用を増強することで血管平滑筋を弛緩させ、血流を促進します。この作用は陰茎海綿体だけでなく、全身の血管にも影響を及ぼします。その結果、心臓や筋肉の血流量も増える場合がありますが、その変化は一時的であり、筋肉肥大には直結しません。
PDE5阻害薬と運動生理学的効果
運動時の筋肉は酸素を大量に消費します。PDE5阻害薬による末梢血流の増加は、筋酸素供給を改善する可能性があります。いくつかの研究では、軽度の運動能力向上が報告されていますが、いずれも医療目的ではなく、筋肥大を示すデータはありません。
筋肉疲労への影響
血流が良くなると、代謝産物(乳酸など)が効率的に排出され、疲労感が軽減される可能性があります。そのため、筋トレ後の回復が早まるという理論が存在します。しかし、これはあくまで仮説の域であり、シアリス服用による直接的な筋肉回復効果は臨床的には認められていません。
代謝機能への影響
タダラフィルが持つ血管内皮改善効果は、インスリン抵抗性の改善に寄与する可能性があります。糖尿病患者における研究では、末梢循環の改善が筋肉の糖代謝に好影響を与えるという報告がありますが、これは治療目的での使用に限られています。
科学的根拠のまとめ
総合的に見て、シアリスが筋肉増強に効果的であると結論づける科学的根拠はありません。血流改善は間接的に運動パフォーマンスを支えるかもしれませんが、筋肉肥大を目的とした使用は非推奨です。

シアリスの服用方法と筋肉増強への影響
服用の基本ルール
シアリスはED治療目的で24〜36時間作用します。1日の最大服用量は20mgで、24時間以内の再服用は推奨されません。筋肉増強のために頻回に服用することは安全性の観点からも避けるべきです。
筋トレ前の服用リスク
運動中は血圧と心拍数が上昇します。そこに血管拡張薬を併用すると、血圧の過剰な低下やめまい、失神を招くことがあります。特にサウナや高温環境下でのトレーニングでは危険です。
毎日服用の可否
シアリスには1日1回少量服用タイプ(5mg)もありますが、これはEDまたは前立腺肥大の治療用です。筋トレ目的での連日使用は安全性データが不足しているため、慎重に行う必要があります。
医師の管理下での使用
シアリスは医療用医薬品であり、必ず医師の処方が必要です。特に心臓病や高血圧の既往がある方は、服用前に血圧測定と心電図検査を行うことが望ましいです。
自己判断によるリスク
ネット通販や個人輸入で購入したシアリスには偽造薬が多く報告されています。正規品以外を服用すると、有効成分量の違いや有害物質の混入により健康被害を受ける危険性があります。

シアリスの副作用と筋肉への影響
一般的な副作用
シアリスの一般的な副作用は頭痛、ほてり、鼻づまり、背中の痛みなどです。これらは血管拡張作用に伴う一過性の反応で、多くは数時間以内に軽快します。
筋肉痛が出る理由
一部の使用者が感じる「背部痛」や「筋肉痛」は、筋肉への血流変化による一時的な違和感と考えられています。これは筋肉増強の兆候ではなく、副作用の一種と考えましょう。
重篤な副作用
ごくまれに**低血圧、視覚異常、聴覚障害、持続勃起(プリアピズム)**などの重篤な症状が報告されています。これらが出た場合は直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。
筋肉への安全性
シアリスの成分が筋肉細胞に直接作用することはありませんが、血管拡張によって一時的に筋組織の水分バランスが変化する可能性があります。これにより軽い張り感やだるさを感じることがあります。
副作用予防のポイント
水分補給を十分に行い、空腹時の服用を避けることで副作用リスクを軽減できます。アルコールとの併用は血圧低下を悪化させるため、避けることが望ましいです。

シアリス使用時の注意点と安全性
禁忌薬の併用
硝酸薬やNO供与薬との併用は厳禁です。血圧が急激に低下し、命に関わるリスクがあります。その他、降圧剤、抗真菌薬、抗HIV薬なども注意が必要です。
健康状態の確認
心疾患、重度の肝障害、腎障害を持つ方は使用を避けるべきです。特に高齢者は代謝機能が低下しており、薬剤の作用時間が長くなりやすいため注意が必要です。
服用間隔の管理
シアリスの作用時間は36時間と長いため、次の服用までの間隔を空けることが重要です。過剰服用は副作用の原因になります。
トレーニングとの両立
トレーニングを行う際は、服用直後を避け、体調が安定している時に運動するようにしましょう。軽い有酸素運動程度であれば問題ない場合もありますが、筋トレやサウナとの併用は推奨されません。
定期的な健康チェック
長期的に服用している場合は、血圧・肝機能・腎機能の定期検査を受けることが重要です。これにより安全性を維持し、健康リスクを最小化できます。

シアリスとホルモンバランスの関係
男性ホルモンと筋肉の発達
筋肉増強の中心にあるのは、**テストステロン(男性ホルモン)**です。テストステロンは筋肉合成を促進し、筋力や持久力を高める働きを持っています。シアリスはこのホルモン分泌に直接作用する薬ではありませんが、血流の改善を通して間接的に代謝環境を整える可能性があります。テストステロン分泌が正常化すると、エネルギー代謝や筋タンパク質合成がスムーズに行われると考えられています。
PDE5阻害薬と内分泌系への影響
いくつかの研究で、PDE5阻害薬を継続的に使用した男性において、性ホルモンバランスやストレスホルモン(コルチゾール)の変動が軽微に見られると報告されています。ただし、これはホルモン治療とは異なり、シアリスがホルモンを増加させる根拠はありません。体の代謝を整える間接的なサポートと捉えるのが正しい理解です。
テストステロンと血流の相互作用
テストステロンは血管内皮機能にも影響を与えるホルモンで、血流改善と相乗的に働くとされています。シアリスによる血管拡張と男性ホルモンの正常分泌が組み合わさることで、体内循環が良好になり、筋肉活動に必要な酸素や栄養の運搬が円滑になる可能性が考えられています。ただし、これも科学的に十分に立証されたものではありません。
ホルモン低下世代のリスク
40代以降の男性では、加齢によりテストステロン分泌が低下します。この状態を男性更年期(LOH症候群)と呼び、倦怠感や筋力低下の原因になることがあります。こうした背景で、シアリスが血流面からサポートする可能性が注目されていますが、あくまで補助的な要素であり、根本治療ではありません。
医師によるホルモン検査の重要性
筋肉増強や活力維持を目的とする場合、自己判断ではなく医療機関でホルモン検査を受けることが大切です。シアリスのような医薬品を使用する際には、テストステロン値・肝機能・腎機能を総合的に評価し、体に合った治療方針を決定することが求められます。

シアリスと血管健康の関係
動脈硬化と筋肉への影響
動脈硬化が進行すると血流が悪化し、筋肉への酸素供給も低下します。シアリスはPDE5阻害によって血管を拡張し、末梢循環を改善する可能性があると考えられています。これにより、動脈硬化の進行を緩やかにする補助的作用があるとされていますが、治療薬として承認されているわけではありません。
血管拡張のメカニズム
シアリスの有効成分タダラフィルは、血管内皮で生成される一酸化窒素(NO)の働きを強めることで、血管平滑筋を弛緩させます。結果として血流が改善し、心臓や筋肉の酸素化が一時的に向上するとされています。この作用が筋肉への間接的なサポートとみなされることがあります。
酸化ストレスの軽減効果
血流が改善されると、細胞への酸素供給が安定し、酸化ストレスが減少する傾向があります。酸化ストレスは筋肉疲労や炎症の原因となるため、シアリスが間接的に筋肉のダメージを緩和する可能性があると考えられています。ただし、抗酸化剤のような効果を持つわけではありません。
血管の柔軟性と運動能力
血管の弾力性が高いと、運動時の血圧変動に対応しやすくなります。タダラフィルが血管内皮の柔軟性を保つことで、有酸素運動時のパフォーマンスを支える効果がある可能性が報告されています。ただし、筋肉増強を目的とした使用とは異なる視点です。
医学的フォローの必要性
シアリスを服用する際には、血管疾患の既往や心疾患の有無を必ず医師に伝える必要があります。血流改善が期待できる一方で、心血管系への負荷が大きくなる場合もあるため、医師の監督下で安全に使用することが最も重要です。

シアリスと生活習慣・トレーニングの関係
睡眠と筋肉修復
筋肉の修復と成長には、深い睡眠が不可欠です。シアリスの血流改善作用が夜間の末梢循環を高めることで、体内の回復サイクルをサポートする可能性があると指摘されています。睡眠不足はホルモン分泌を妨げるため、服用よりもまず生活リズムの改善が優先されます。
栄養バランスと代謝
筋肉を育てるにはタンパク質・ビタミン・ミネラルの摂取が欠かせません。血流改善により栄養の運搬効率が高まる理論はありますが、栄養摂取が不十分であれば筋肉の合成は進みません。シアリスに依存せず、日常の食生活を整えることが基本です。
運動習慣と血流
軽い有酸素運動を継続することでも末梢血流は改善されます。ウォーキングやストレッチは、シアリスに頼らずとも自然な血管拡張作用を引き出す有効な方法です。薬剤を使わずに得られる血流改善は副作用のリスクがなく、安全です。
ストレス管理とホルモン維持
過度のストレスはコルチゾール分泌を増やし、筋肉の分解を促します。シアリスの服用と併せて、ストレスコントロールやメンタルケアを意識することで、より健康的な筋肉環境を維持できます。メンタル面の安定はホルモンバランスにも良い影響を与えます。
トレーニング効果を最大化する方法
筋肉増強を目指すなら、栄養・運動・休養の3要素が最も重要です。シアリスは医薬品としての効果があり、補助的な側面で血流を支える可能性がありますが、基本は正しいトレーニング習慣の確立です。筋トレ後のプロテイン摂取や睡眠管理のほうがはるかに実用的です。

Q&A(よくある質問)
Q1:シアリスは筋肉増強に効果がありますか?
A:筋肉を直接増やす作用は確認されていません。血流改善が間接的にサポートする可能性はありますが、医学的根拠は限定的です。
Q2:筋トレ中に服用しても大丈夫ですか?
A:運動時は血圧が変動しやすく、めまいや低血圧を起こすリスクがありますので、慎重に服用してください。
Q3:毎日飲んでも安全ですか?
A:医師の指導下であれば、5mgの毎日服用タイプが存在しますが、筋肉目的の使用は非推奨です。
Q4:筋肉痛が起きたらどうすればよい?
A:一過性の症状であれば経過観察可能ですが、強い痛みが続く場合は医師へ相談してください。
Q5:他のサプリとの併用は?
A:クレアチンやプロテインとの併用で問題はないとされますが、医薬品との併用は必ず確認しましょう。
Q6:シアリスの代わりになる筋肉系サプリは?
A:HMBやBCAAなど、筋タンパク合成を支える栄養補助食品があります。これらは安全性が高く、医薬品ではありません。
Q7:筋肉目的で処方してもらえる?
A:日本では承認適応外のため、筋肉目的の処方はできません。しかし、自費診療なら可能です。

まとめ:シアリスと筋肉増強の関係を正しく理解する
シアリスはED治療薬として安全性が確認された医薬品であり、筋肉増強目的での使用は承認されていません。
血流改善効果は運動パフォーマンスや回復を支える可能性があるものの、科学的根拠は限定的です。
筋肉を増やしたい場合は、栄養・睡眠・トレーニング・医師のサポートを基礎に取り組むことが最も安全で効果的です。
健康的なボディメイクを目指すためにも、安易な薬剤使用ではなく、医療機関での相談をおすすめします。
参考文献
- 日本性機能学会『ED診療ガイドライン 2022』
- Circulation Research, 2016;118(9):1463-1470.
- Journal of Sexual Medicine, 2018;15(3):392–401.
- 日本医師会・厚生労働省「医療広告ガイドライン」
- PubMed Central: PDE5 inhibitors and skeletal muscle oxygenation (PMC2931646)
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板東大晃 医師・KANDA NISHIGUCHI CLINIC院長
日本抗加齢医学会 専門医、日本医師会 認定産業医、テストステロン治療認定医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、キレーション療法認定医、日本美容内科学会、日本美容皮膚科学会、日本酸化療法学会、再生医療抗加齢学会、日本エイズ学会、日本再生医療学会、日本オーソモレキュラー医学会、日本メンズヘルス医学会、日本性感染症学会、日本性機能学会所属。
特許庁実用新案登録「オーダーメイドマッスルビルディング™」(第3243729号)取得。
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