コラム
亀頭包皮炎とは
亀頭や包皮に炎症が起きた状態を「亀頭包皮炎」といいます。
実は亀頭包皮炎の90%は性感染症ではないのですが、場所が場所なだけに不安に感じる方が多い疾患です。
また、亀頭包皮炎になったことがない人はいないと言っても過言ではありません。
多くは適切な外用治療や生活習慣の見直しで改善しますが、細菌やカンジダ(真菌)などが関わる場合は適切な治療が必要です。
種類と原因
亀頭包皮炎には6種類のタイプがあります。
タイプ | 主な原因 | 特徴 |
---|---|---|
刺激性 | 洗いすぎ・自慰や性行為による物理刺激 | 赤み、かゆみ、白いカス。性行為後になりやすく性病と誤解されることも |
ストレス・疲労性 | 睡眠不足、過労、強いストレス | 赤み、かゆみ、白いカス |
加齢性 | 加齢による皮膚の薄さ、久しぶりの性行為 | 包皮中央にドーナツ状の炎症。出血することも |
細菌性 | 性行為、不潔な手で触るなど | 赤み・痛み・膿(黄色)を伴う。A群連鎖球菌が多い |
カンジダ性 | 性行為、糖尿病、SGLT2阻害薬内服など | 白いカスが多めで湿った印象。糖尿病では縦裂が入ることも |
慢性陰部皮膚炎 | アトピー、扁平苔癬など | 赤みが主体でかゆみや痛みが少ない。長引きやすい |
主な症状
- 赤み、かゆみ、痛み
- 白いカス(炎症で皮膚がはがれた角質)
- 膿(細菌性)
- 大きめで湿った白いカス(カンジダ性)
- 皮膚が厚めで乾燥した赤み(慢性皮膚炎)
治療方法
ほとんどの場合は外用薬で治療が可能です。また、保険診療で対応できます。
症状や原因に応じて、次のような治療を行います。
- 刺激性/ストレス性/加齢性
→ ステロイド外用薬、安静、優しく洗浄 - 細菌性
→ 抗生物質の外用薬・内服薬 - カンジダ性
→ 抗真菌外用薬、炎症が強ければ非ステロイド外用薬も併用 - 慢性陰部皮膚炎
→ ステロイド外用薬。難治例は皮膚科専門医紹介
※複数の薬を使用しても改善しない場合は、一度すべて中止して皮膚を休ませることで回復することもあります。
よくある質問
Q1. 亀頭包皮炎は何科を受診すればよろしいでしょうか?
A. 皮膚科です。
多くの方が泌尿器科を受診されますが、泌尿器科の医師は尿道、膀胱、前立腺、腎臓など外から見えない部分の専門家です。亀頭包皮炎は皮膚表面の話しなので、皮膚科になります。ただ、皮膚科は女性医師が多かったり、また皮膚科専門医でも亀頭包皮炎の適切なマネジメントが出来ないこともよくあります。
Q2. 亀頭包皮炎は性病ですか?
A. いいえ、ほとんどの場合は性病ではありません。
カンジダと細菌性の一部が性病となりますが、その割合は亀頭包皮炎の中でも10%ほどです。
洗いすぎや強い摩擦、疲労やストレスなどでも起きます。むしろこれらが原因になることが圧倒的に多いです。
Q3. 白いカスがあるのはカンジダですか?
A. 必ずしもカンジダとは限りません。
炎症が起きると皮膚のターンオーバーが活発になり、剥がれた角質が白いカスとして見えることがあります。
カンジダの場合は、白いカスが大きめで湿っている印象があり、糖尿病の方では亀裂が入ることもあります。
Q4. どれくらいで治りますか?
A. 軽症なら数日~1週間程度で改善することが多いです。
ただし、カンジダや慢性皮膚炎の場合は数週間かかることもあり、繰り返す例では糖尿病や皮膚疾患の精査が必要になることもあります。
Q5. うつることはありますか?
A. 原因が細菌やカンジダの場合は、性行為を通してパートナーにうつる可能性があります。
Q6. 予防する方法はありますか?
A. 過度に洗いすぎないこと・疲労やストレスを溜めない・睡眠をしっかりとることが大切です。
石けんで強くこすらず、ぬるま湯でやさしく洗い、乾燥や蒸れを防ぐようにしましょう。
Q7. 再発することはありますか?
A. はい、再発を繰り返す方もいます。
免疫力の低下、糖尿病、アトピーなどの持病が関係していることもあるため、繰り返す場合は血液検査や皮膚科的評価をおすすめします。
また、原因として、過度な刺激や体調の場合は、その状態が生じた際には何度でも発症します。ただし、これは再発ではなく、新規発症を繰り返しているという表現が正しいです。わかりやすいイメージでいうと、風邪と同じです。風邪も無理をしたり不摂生が続くと何度でも罹患しますが、それを再発とは言いません。つまり、原因として過度な刺激や体調が原因の90%を占める亀頭包皮炎は、「おちんちんの風邪」という表現がしっくりくるかもしれません。
FAQ
よくあるご質問
- 支払いにキャッシュレスは使えますか?
- 各種クレジットカード、交通系などでのお支払い可能です。受付の端末でキャッシュレス支払いができますが、予約の際に使用するデジスマという予約アプリの中にクレジットカードを登録する機能(デジスマ払い)があり、それを利用すれば診察終了と同時に決済が完了となります。※PayPayなどのQR決済は出来ません。
- 保険診療もやってますか?
- 保険診療で対応できるものは保険診療で検査治療を行います。ただし、検査の順番や処方できる薬の量、一度に出来る検査の種類など制約があります。
- 予約は必須ですか?
- 予約は必須ではございません。しかし、予約して事前WEB問診に回答していただくと、来院したあとにスムーズにご案内できます。
- 手書きの領収書は発行してくれますか?
- もちろん発行致します。受付でお申し付け下さい。
information
クリニック情報

- クリニック名
- KANDA NISHIGUCHI CLINIC
- 住所
-
〒101-0047
東京都千代田区内神田3-12-4
第一岸ビル3階
- Tel
- 03-3525-7377
- 営業時間
-
月~木 10:30~13:30、15:00~18:30
金 9:30~15:00
休診:土日祝、年末年始
- 代表者
- 板東 大晃